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インタビュー詳細

技術検討委員会より提言

大規模修繕に着手 ~26年間で1400億円投資へ~

名古屋高速道路公社
保全施設部長
志水 公敏 氏 

 名古屋高速道路公社は昨年11月に計画総延長81.2㌔全てを供用し、名実ともに保全の時代に突入した。それに合わせて、技術委員会では今後大規模修繕に着手し、26年間で1,400億円を投資する予定だ。管内の構造物の損傷状況およびどのように修繕していくのかについて、具体的内容を志水公敏保全施設部長に聞いた。(井手迫瑞樹)


凍結防止剤の影響で劣化が進展

昭和48年道示適用の床版で劣化

 ――名古屋高速道路公社の現況から

 志水部長 名古屋高速道路は昨年の11月に計画総延長9路線81.2㌔全線を供用しました。

構造物の内訳は高速2号東山線のトンネル区間および半地下区間約6.3㌔以外はすべて高架・橋梁で橋種としては圧倒的に鋼構造が多くなっています。PC橋は一部のエクストラドーズド橋と上取りの料金所部分のみという状況です。

 交通量は最大が3号大高線の77,000台で、大型車(8㌧以上)混入率は4.1%程度です。大型車混入率が一番高いのは工業地帯を縦貫している4号東海線(大型車混入率約8.8%)ですが、開通したばかりで交通量も少なく、構造物としても健全であるため、大型車による構造物への影響はあまりありません。他の路線は概ね3~4%程度です。

 ――名古屋高速道路の長期維持管理及び大規模修繕に関する技術検討委員会では、劣化のスピードが想定より早い、と指摘されていますがなぜでしょうか

 志水 冬場の凍結防止剤(塩化ナトリウム)散布による影響により、楠線、小牧線、一宮線など北部路線が南部路線に比べて劣化速度が速くなっています。東京、大阪と比較して名古屋は毎年1、2月の平均気温が低く、特に北部路線は交通安全対策上、凍結防止材の散布量がどうしても多くなり、塩害による劣化が進行してしまうものと考えられます。

 加えて、旧道路橋示方書(昭和48年道示)を適用して設計した大高線と万場線で劣化が多く生じています。損傷しているのは、ほとんどがRC床版とジョイントおよびジョイント周辺です。RC床版下面には亀甲状のひび割れや遊離石灰などが生じています。特に大高線では過去に25トン対応で床版増厚をした区間が一部あるのですが、そこで再劣化が生じています。原因は調査中です。ただ、亀甲状のひび割れが出ていますので、詳細に点検するとともに補修補強の方法を検討しています。その結果を大規模補修の方につなげていきます。


防水工の未設置が原因か

損傷ランクB以上は2,000件

 ――なぜ増厚をした箇所でこうしたことが起きているのでしょうか。

 志水 原因については調査中です。ただ、増厚時には防水工が標準化されていませんでした。その後、間をおいて防水工を施工したわけですが、その間に擦り磨きなどの現象が起きた可能性があります。

 ――対策が必要な損傷箇所は2,000件強あると報告されていますが、具体的な損傷部位および状況は

 志水 まず、損傷判定ランクはS,A,B,C,Dの5ランクあり、Sが緊急補修を要する損傷、Aが一年以内に要対策、Bが5年以内に要対策となっています。2,041件はこのB判定までを入れた総件数です(下の円グラフ参照)。

           損傷内訳                          PC桁の損傷