道路構造物ジャーナルNET

アスベストの調査・分析、設計から撤去までをこなせる体制を構築

マルホウ 土木分野におけるアスベストの除去をどのように考えるか

株式会社マルホウ
代表取締役社長

日比 裕己 氏

公開日:2022.10.04

狭小部や隅角部にも適用可能
 使用した水は50%強を再利用できる

 ――狭小部や隅角部にも適用できるのですか
 日比 先端のアタッチメントを変えることによって大きな面積でも小さな幅や隅角部の施工も適用可能です。。
 また、使用した水は50%強再利用することができます。全て再利用しようとすると、ノロをろ過する能力を上げなくてはいけなくなり、ポンプの耐用年数が下がってしまうため、回生水の利用は50%強としました。それでも100%捨てていた従来工法と比べると飛躍的な進歩といえます。
 ――ろ過はどのように行うのですか
 日比 従来工法はろ過漕に施工によって生じたガラや水を入れて濾し、分離、上水を排出して、溜まったものをスコップで掬って専用袋に梱包していましたが、それではせっかく施工段階で湿潤化しても、選り分ける段階で健康被害が出てしまいます。
ウォータークリーン工法は、超真空状態のまま水とアスベストを含んだガラに分離できます。しかもガラは水が枯れた状態で、現場で自動的に袋へ梱包できる仕組みにしていますので非常に安全性が高くなっています。同工法を現場で梱包までやるには4t車4台分のスペースが必要になります。そのためウォータークリーン工法の施工においては、基本的にポンプ車、吸引車、ろ過装置を積んだトラックと梱包機械を積んだトラックの4台を1セットとして配置します。。
 ――技術審査証明などは取得していますか
 日比 オプション仕様にはなりますが、日本建築センターの技術審査証明(BCJ-審査証明-278)を取得しています。また特許も複数取得(特許6347796号、6482142号、6806867号)しています。また、NETISも登録済みです。
 ――施工実績は
 日比 2022年8月までに60万㎡の施工実績を有しています。昨年度は20万㎡、今期も同規模の施工予定です。

「アスベスト調査分析株式会社」を創立
 調査は来年の10月からアスベスト含有建材調査者という資格が必要

 ――4月からアスベストの調査、分析を行う会社を作ったと聞きますが、その理由は
 日比 4月からその名も「アスベスト調査分析株式会社」を創立しました。調査、分析会社を作ったのは、設計コンサルタントさんと一緒に仕事をするにあたり、「分析できないのか?」とか「アスベストの調査までやってほしい」という要望が少なからず来ていました。私たちは分析などを行う知識がなくお断りしていましたが、アスベスト除去の事業量増加や法令が厳しいほうへ改正されるという事も分っていたので、当社自身でアスベストの調査や解析の技術を持つことで、発注者さんやコンサルタントさんの助けになると考え、立ち上げさせていただきました。
 その結果、まだ数か月ですが、かなり喜んでいただいております。実際に困っておられるお客様が多いものですから、現場で試料を作って分析会社の方に提出していただける発注者の方も多くなっております。
 ただ、調査解析会社と施工会社であるマルホウの線引きはしたいと考えています。マルホウの方に渡せる情報と渡せない情報があります。そのコンプライアンスはしっかりしないと、非常に不味いことになります。

 ――今仰ったアスベスト関連の法改正とは
 日比 昔からアスベストに関する事前調査は法的義務でしたが、今年の4月から80㎡以上または100万円以上の改修工事や解体工事をするにあたってはアスベストの調査や分析を行い国に電子報告しなくてはいけなくなりました。改修工事や解体工事では金額の大小にかかわらず、アスベスト事前調査を行わなくてはなりません。土木の補修分野はほぼすべてが該当するのではないでしょうか。
 しかも、今はだれでも調査ができるわけですが、来年の10月からは建築物石綿含有建材調査者という資格を持つ人間でないと調査が出来なくなります。調査・分析会社はもちろん、マルホウも含めて同資格保有者は30人程度在籍しています。国は同資格者を増やすため、試験のハードルを少し下げていますが、当社は元々アスベストに知見を有する者が資格を有しているため、信頼性の上で大きなアドバンテージを有しています。


分析例/様々な分析設備を整えている

専門スタッフが解析

アスベスト関連事業の売上目標は年80億円
 高い調査能力を有する人材も招聘

 ――現在の御社の社員数と売上額は
 日比 社員数はマルホウ本体が80人、アスベストの調査・解析を行う会社が20人となっています。売上額は2021年度で40億円となっています。売上割合は母業である防水が10億円、アスベストなど環境対策が30億円です。拠点は全国に7つございます。これを今後10年ほどで防水を倍にアスベスト関連事業は80億円(うち、調査分析が10億円)までに伸ばしたいと考えています。

 ――調査分析分野の市場規模は
 日比 年間30~40億円規模です。ただし、今後は大幅な増加が見込まれます、当社としては、将来はアスベスト撤去を中心とした環境コンサルタント業態を目指していきたいと考えています。
 ――アスベストだけではなく?
 日比 人体に害を与える有害物質はアスベストだけではありません。様々あります。そうした有害物質の除去や除去中の対策について、グループで調査・分析から、設計・施工までを行うことが出来るようになりたいと考えています。
 また、アスベストに関しては日本一の調査・分析が行える企業になりたいと考えています。また、アスベストの法規制は3~5年に1回変わりますが、将来的には法規制の内容を一緒に考える側に参画できるようになりたいと考えています。
 ――分析会社は今年創立ですが、入社された方は元々同業種の人を雇用したのですか
 日比 そうです。ですので早期の立ち上げが可能になりました。
 先ほどの資格取得の際の講師ができるレベルの人が3人いますし、顕微鏡のインストラクターと呼ばれる有資格者は日本で15人しかいないのですが、そうした資格を有する人も1人います。
 ――母業である防水はどのようにしていきますか
 日比 基本的に建築が強く、駐車場や屋根防水など特殊防水のシェアをどんどん伸ばしていきたいと考えています。また地元愛知だけでなく、関西にも拠点を作り、案件を受注していきたいと考えています。
 土木分野は剥落防止対策や表面被覆工などをどんどん受注していきたいと考えています。
 ――ありがとうございました

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