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明神山トンネルが貫通 双海橋は仮設道路完了し、下部工施工中

2022年新春インタビュー④ NEXCO西日本 愛媛 伊予IC~中山SIC間が全面展開

西日本高速道路株式会社
四国支社
愛媛工事事務所
所長

渡邉 浩延

公開日:2022.01.24

コンクリート打設 下部工スランプは8~12cm
 烏谷橋は上部工の施工が進む

 ――次にコンクリート打設ですが、下部工はどのように行っていますか
 渡邉 P2のみバケット打ちで、そのほかは工事用仮桟橋を用いてポンプ車による打設を行っています。ポンプ車のブームは39mに達します。下部工の受け入れ時スランプは配筋量の多いA2は12cm、そのほかのシングル配筋の橋脚、橋台は8cmで打設しています。

P2橋脚基礎工の施工

P2橋脚躯体の施工状況

 ――張出し施工時はワーゲンで行いますが、コンクリートはどのように打設していきますか
 渡邉 横の工事用仮桟橋を使って桟橋から届くところはポンプ車のブームで打設し、届かない箇所は配管を使って打設します。圧送距離は長いところでも30m程度に収まる見込みです。補剛桁部はスランプ12cmで打設します。
 ――鉛直材やアーチの打ち込みはどのように行いますか
 渡邉 鉛直材に用いている鉄骨の周りには鉄筋を配置し、コンクリートを打ち込み、巻き立てていきますが、これには品質と施工性を確保するために、施工性としてはスランプが高めのコンクリートを使用するなどの検討を行っています。また、アーチリブの部分は水平距離で4mほどを1ブロックとみなし打設していきます。スランプは15cm程度とし、一層ごとに抑え型枠を配置して確認しながら打設していきます。
 ――防食面での工夫は
 渡邉 壁高欄のつなぎ目の部分にエポキシ樹脂塗装鉄筋を採用する予定です。
 ――同区間の構造物としては烏谷橋もありますが、構造物概要を教えてください
 渡邉 橋長140.5m、幅員9.31mの鋼3径間連続非合成2主鈑桁橋です。ここはトラッククレーン+ベントにより施工できます。現在は下部工を終え、上部工の施工を進めています。
 ――防食上の工夫は
 渡邉 烏谷橋は1期線当時において耐候性鋼材を採用していますが、2期線は重防食塗装で対応します。

烏谷橋の上部工施工状況

 ――新設における新技術・新材料について、現在の適用例および、今後適用を模索しているものはありますか
 渡邉 双海橋における高強度鉄筋、機械継手やユニット鉄筋を採用しています。

中山スマートIC~内子五十崎ICは調査設計中
 内子五十崎IC~大洲IC間はPCコンポ橋を採用

 ――中山スマートIC~内子五十崎IC間の4車線化等事業約9.7kmの区間についての構造物は
 渡邉 これから調査設計を進めていくところです。(1期線においては、トンネル3箇所、橋梁12箇所)
 ――内子五十崎IC~大洲IC間の一部約4.4km区間の進捗状況は
 渡邉 現在調査設計中です。トンネルが1か所、橋梁が5橋を予定しています。山口トンネルは延長271mです。橋梁は5橋予定しており、今後の照査で変更の可能性はありますが、神南橋が橋長56mの鋼単純2主鈑桁橋、喜多山高架橋が142.5mのPC4径間連結コンポ橋、堂成川橋が142.5mのPC4径間連結コンポ橋、橋本川橋が252.5mの鋼5径間連続2主鈑桁橋、山口橋が86mの鋼2径間連続2主鈑桁橋となっています。
 PCコンポ桁を採用しているのが、1期線との大きな違いです。施工性を考えて橋種選定を行っています。径間に拘らなくてもいい箇所は、橋脚位置も含めて施工性を重視しながら、経済設計に基づき橋種を決めています。
 ――両路線とも、伊予IC~内子五十崎IC間のように大規模な仮設道路が必要になってきますか
 渡邉 中山スマートIC~内子五十崎IC間の一部約9.7km区間については山岳部に位置し、進入路が少なく、縦断が高い位置に線形を有するため、同様の大掛かりな仮設道路が必要になります。
内子五十崎~大洲間の一部約4.4kmも少なからず仮橋は必要になってきます。

耐震補強は3件6橋が工事進捗、さらに3件20橋も施工着手
 繊維シート補強、制震ダンパーの設置など

 ――耐震補強の進捗状況は
 渡邉 災害時の救急救命活動や復旧支援活動を支えるため、緊急輸送道路上の橋梁について、耐震補強(大規模な地震時でも軽微な損傷に留まり、速やかな機能回復が可能となる対策)を進めています。
 耐震補強の設計を行い、設計完了後、順次工事を発注し現地に着手しており、現在は6件の工事契約に至ったところです。
 具体的には いよ西条IC~三島川之江IC間にある長谷川橋、畑野橋、市場川橋他3橋の耐震補強工事を行っています。
 また、松山自動車道の渦井川橋他5橋耐震補強工事、同田窪高架橋他3橋耐震補強工事、同五良野高架橋他9橋耐震補強工事もこのほど受注業者が決まりました。

 


畑野橋の耐震補強状況

水平力分担構造の設置状況

市場川橋の耐震補強状況


 ――どのような形式の橋梁ですか
 渡邉 PC桁橋と鋼鈑桁橋、鋼トラス橋の補強です。橋脚の耐震補強等を行う予定で、炭素繊維シートなどにより補強します。併せて落橋防止装置の取付け等も行います。
 ――特殊長大橋の耐震補強は
 渡邉 トラス橋が3橋、コンクリートアーチ橋が3橋、鋼方杖ラーメン橋が1橋あります。昭和55年道示により設計された浦山川橋は、橋長412mの長大橋ですが、複合的な橋梁で、PC(3+2)径間プレテン連結合成I桁橋(81.7m+54.3m)、単純鋼上路トラス橋(70m)、PC2径間連続ポステン合成I桁橋(66m)、RC8径間連続中空床版橋(140m)という形式です。橋脚に対してはRC巻立て、またはアラミド繊維シート巻立て、落橋防止装置の設置などを行います。また、トラス部については、支承交換や制震ダンパー及び段差防止構造の設置などを行います。
 関川橋も橋長75mの単純鋼上路式トラス橋で、浦山川橋と同様の耐震補強を行う予定です。
 長谷川橋は橋長272mの鋼橋ですが、形式は側径間が鋼3径間連続鈑桁橋(92m、95m)、中央径間が85mの単純鋼上路式トラス橋です。橋脚に関しては炭素繊維シートによる巻立て補強を行い、支承交換やダンパーの設置、落橋防止装置や段差防止構造などを施工しています。

長谷川橋上下線の補強一般図

長谷川橋の耐震補強状況
 他、上下線とも鋼3径間方杖ラーメン橋(上り120.5m、下り121m)の梶橋、上下線とも176mのRC逆ランガーアーチ(アーチスパンは123m)の天子川橋、鋼3径間連続逆ローゼ桁橋(上り226m、下り198m)の桜樹橋などがありますが、これらについては動的解析による照査を進めています。

 ――最後に今後の課題について
 渡邉 4車線化については、進入路をスムーズに確保することが、工程に大きく影響してきます。色々な、知見も入れながら、できるだけ施工性を考慮した施工計画を立てていきたいと考えています。あとはBIM/CIMやDXなどを取り入れて安全と効率の向上を両立していきたい。
 ――同じNEXCO西日本の現場では、和歌山管内や新名神の4・6車線化の現場で遠隔立会を取り入れています
 渡邉 当事務所でも耐震補強の現場の一部で試行的に導入しています。4車線化工事現場でも当然取り入れていきたいと考えています。
 ――ありがとうございました

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