道路構造物ジャーナルNET

道路分野は橋梁検査路、遮音壁、中空床版の補修技術などを積極展開

栗本鐵工所 チームクリモトで売上1100億円、営業利益40億円のその先へ

株式会社栗本鐵工所
代表取締役社長

菊本 一高 氏

公開日:2021.04.01

ポリエチレンシース用ジョイント材 高速道路の床版取替分野に展開
 透光型吸音パネル『ビューソーン』既に10万ⅿ2の実績

 ――そのほかの土木(道路・鉄道など)に関連する製品・分野でアピールしていきたいものを教えてください
 菊本 FRPは非磁性、不燃性を有しています。その特性を生かして大阪メトロや東京メトロの第三軌条の保護カバーなどにお使いいただいています。さらにNEXCO各社においては、補強と剥落防止用途に西日本高速道路エンジニアリング四国のもつスマートメッシュの販売代理店契約を結びました。
 当社はPCで使われるシースについて長年強みを持っていますが、新設は飛躍的に増えることは望めない状況です。床版取替工事の際、プレキャスト床版間のポリエチレン製シースの接合部に用いるジョイント材を製作し、好評を博しています。北陸自動車道九頭竜川橋、砺波IC~小杉IC間、富山~立山間などの大規模更新事業で実績を重ねています。




プレキャスト床版間のポリエチレン製シースの接合部に用いるジョイント材

 遮音壁については、新設と既設の改修という2つの分野がありますが、これからは取替需要がメインになっていくものと思われます。当社ではここでもポリカーボネート製の透光型吸音パネル『ビューソーン』を展開しており、既に10万ⅿ2の実績を有しています。透明膜状吸音材と透光板とを組み合わせたパネルで、景観や日照が要求される道路、防音壁用として最適な製品と言えます。製品の上塗りには防汚三種の光触媒を塗布して煤などが付着しても降雨により汚れが落ちる機能を付与することも可能です。


ビューソーン設置例

新たに点検口付き金属製遮音板をラインナップ

 加えて、現在、遮音壁の維持管理においては、国交省の指針で遮音壁支柱のアンカーボルトについても5年に1回の点検を義務付けられていますが、現在の遮音壁支柱アンカーボルトは、橋上から見て道路側は点検できるものの、背面側のアンカーボルトは道路側から点検することができず、橋梁点検車などを利用するしかありません。そのため新たに道路側から全てのアンカーボルトを点検できる点検口付き金属製遮音板をラインナップし、さっそく、この2月末に国交省の広島国道事務所の高架橋で初採用されました。


点検口付き金属製遮音板

中空床版補修用の円筒型枠の開発を進める

 ――御社の古くからの技術としてはコンクリート中空床版橋の円筒型枠を外すことはできません。現在、同形式の橋梁は建設年次が古いものが多く、維持管理の時期に入っていますが、その構造から補修は難しく、取替が主となっています。型枠メーカーとして何か取り組んでいることはありませんか
 菊本 そうしたニーズは当社も掴んでおり、円筒型枠の破損を補修する工法開発にチャレンジしています。中空床版橋の補修の際、はつり作業によりコンクリート内に埋設されている円筒型枠を破損させる恐れがあるため中空部を保持する製品、工法を検討しています。未だ試験の段階ですが、素材や形状などを検討してできるだけ早く形にしたいと考えています。

農業用水や上水道維持管理に点検から更生までのソリューション提供
 橋梁排水管としてFRPM、ステンレス、ポリエチレンの3素材を提案

 ――記者会見では国内向け民間土木の厳しさを指摘し、北米や東南ア市場への傾注について言及されていましたが、国内の官公需市場(リニューアル含む)に対してはどのように考えておられますか
 菊本 まず、道路ではありませんがパイプシステム事業部では上水道、化成品事業部では農業用水や下水道の更新・更生に取り組んでいきます。
 ――補修や取替ではなく「更生」というものはどのようなものですか
 菊本 既設のパイプの中に新しいパイプを入れて機能を更新していく「パイプインパイプ」という考え方です。
 建設から40~50年たった各種パイプをどうするのか? は対処すべき喫緊の課題です。その課題に対応するため、2017年にRe-パイプシステム工法協会を新たに立ち上げました。当社では、モノだけでなく、点検~提案~設計~更生までのソリューションを提供し、各種更生手法を広めていきたいと考えています。
 ――橋梁用の排水管なども老朽化が目立ちます
 菊本 橋梁用排水管の取替分野には、(G)FRPM製、ステンレス製、ポリエチレン製の各種素材を用意しています。
 FRPM管は、GFRPと樹脂モルタルとをサンドイッチ状に複合した管のことで、塩害や酸・アルカリにも強く、凍害や凍結融解に対しても割れにくい構造を有しています。軽く、施工性にも優れています。北海道などで既に実績があります。


FRPM管

 ステンレス(SUS304)製は、防食性に優れており塩害に強く、薄肉であるため軽量で、施工性にも優れています。
 子会社であるクリモトポリマーもクリモトポリフュージョン管を有しています。全ての管・継手とも、50年後の残存強度が10MPa以上あるとされるPE100グレード高密度ポリエチレン樹脂を使っており、インフラ管材として、長期の寿命が期待できます。
 接合はEF接合及びバット接合を採用しています。接合部を溶融一体化(ソケットを挿入して電気溶着)させるため、漏洩の心配がなく、先行損傷した継手部から塩分を含んだ水が橋桁や躯体にかかり、本体の損傷を惹起する可能性を減らすことができます。
 現場条件や、コストに応じて、この大きく分けて3種類の素材を提案していければと考えています。

テレワーク 週1、2日の在宅勤務制度を導入
 育児や介護で離職した社員もカムバックする制度で優秀な人材確保

 ――新型コロナの影響もあり、リモートワークが進んでいます。ワークライフバランスや、育児・介護・疾病などで仕事を辞めるないし、中断に追い込まれていた人たちも生かせるツールができたといえます。新コロナが収まった後でもこのような働き方を進めて行くのでしょうか。お答えください
 菊本 当社では、昨年10月に恒久的な制度として在宅勤務制度を導入し、現在は週1~2日を目途に在宅勤務としています。また、育児・介護については手厚く支援すると共に、やむを得ず離職した社員を対象に、社員カムバック制度を導入。各従業員のおかれた状況に応じて、雇用環境を確保することで、従業員としては仕事を失わずにすむことができ、会社としては優秀な人材を失うことがなく、中長期的に組織力向上が図れると考えております。
 ――ありがとうございました

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