道路構造物ジャーナルNET

2020年わが社の経営戦略 大手ファブ トップインタビュー ⑪宮地エンジニアリンググループ

アライアンスのさらなるシナジー創出で技術力の強化と拡充を図る

宮地エンジニアリンググループ株式会社
代表取締役社長

青田 重利 氏

公開日:2020.11.02

 当NETの姉妹メディアである「週刊 鋼構造ジャーナル」では、毎年、橋梁を主事業のひとつと位置付ける鋼構造ファブリケーター各社のトップに経営戦略を尋ねるインタビュー記事を掲載している。その内容について、数回に分けて転載していく。今回は、宮地エンジニアリンググループの青田重利社長の記事を掲載する。

 ――業界を取り巻く環境・現状について
 青田 国土交通省の橋梁新設市場は、昨年の6万t弱から7万tと回復傾向にあるものの、ここ数年は7~8万t程度と予想している。一方、高速道路の新設市場は、名高速のリニア関連、阪神高速の西伸部と続く大型工事はすでに事業化されており、特に世界トップレベルの技術力を要求される西伸部の大型案件については、グループの総力を挙げて取り組む。さらに、下関北九州道路の第二関門橋の吊り橋と夢のある明るい市場環境と考えている。いずれも詳細設計付、高難度工事であり、関西支社に設計準備室を設置し、積極的に対応する組織体制とした。
 保全市場は高速道路リニューアル工事をはじめ年間4,000億円の市場との予想もあるが、鋼橋の高い技術力を必要とする大型工事が多く、グループのキャパシティーを考えて適時対応していく考えである。当社グループは中国自動車道の吹田JCTから池田ICの大型更新工事を進めているが、このような高難度の保全工事は今後も続き、当社も積極的に対応していく。
 ――2019年度の業績は
 青田 19年度は売上高638億4,100万円、営業利益52億4,100万円、経常利益53億6,800万円と、すべて前年度より増加した。
 ――今年度の需要環境見通しは
 青田 今年度の国の道路整備事業費は4兆5,799億円で前年に比べ15%増加し、鋼橋全体の新設橋梁発注見通しも前年度の14万tから20万tと回復傾向にある。
 一方、経済環境はコロナショックの影響で世界的に不透明さが増しており、政府の一次二次の補正予算でも社会インフラ関係の予算はゼロと厳しい状況もあるが、インフラ整備は社会的要求であり、景気浮揚のためにも積極的な財政出動に期待したい。
 新型コロナウイルスの影響は受発注者の双方に出ているが、あらゆる対策を講じており、現時点では事業計画に大きな影響は出ていない。今後、インフルエンザと新型コロナの複合的な影響を最小限に押さえる施策と、道路、空港、港湾の三位一体の社会インフラの整備に積極的な財政出動を期待したい。
 ――今年度の業績目標は
 青田 今年度は売上高560億円、営業利益35億円、経常利益35億円と見込む。


気仙沼湾横断橋

 ――設備投資計画は
 青田 18年8月に投資総額約50億円の千葉工場改革プロジェクトを発足し、これまでヤード管理プログラム開発による効率化や製作方、溶接技術の改善などに取り組み、コスト縮減を図ってきた。
 今年度はいよいよ本格的な設備投資として塗装用移動ハウスの増設工事に着手する。この工事に引き続き、ブラスト設備と塗装設備の新設で塗装一貫体制の工場改革が終了する。
 その他、新事務所棟の建設を計画しており、社員が安全・安心できる職場づくりも積極的に進める予定であるが、新型コロナによる事業環境の変化を見極めるため、生産性の向上やコスト削減に直結する設備投資以外は一時延期している。
 これ以外の戦略的な投資としては、大阪湾岸線西伸部等の西日本エリアの大型工事に対応するため、広島県の久井工業団地に2万3,000m2の土地を取得し、今年10月から機材センターを稼働させた。
 ――部門ごとの課題は
 青田 基幹会社2社のシナジーを高める取り組みは、設計、製作、工事を中心に進めてきており、各々の部門で一定の効果は出ているものの、まだシナジーを発揮させる余地がある。今年度、両事業会社が新社長となったことを機に当社指導の下、両社長を議長としたアライアンス推進会議を開催し、経営統合のシナジー創出を加速する体制とした。
 ――新型コロナウイルス対策としては
 青田 新型コロナウイルスへの緊急対応として、4~5月にかけて内勤の社員に対して、在宅勤務とテレワークを実施したが、当社は工場と現場が生産の中心の企業であり、在宅勤務とテレワークへの取り組みは限定的となる。一方、TV会議、Web会議、リモート検査など、出張、移動を最小限に抑えた対策を積極的に取り入れ経費を削減しており、この対策は今後も続けていく。
(聞き手=佐藤岳彦、文中敬称略 2020年11月2日掲載)

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