道路構造物ジャーナルNET

スーパーホゼン式工法を核に他技術と連携できる協会に

日本建設保全協会 牧角龍憲会長インタビュー

一般社団法人
日本建設保全協会
会長

牧角 龍憲

公開日:2020.01.16

増厚の厚さを抑えるためにグリッドメタルの採用も検討
 関西事務局を新設して、関西圏でも連携強化を図る

 ――網鉄筋の替わりに、JFEシビルの格子鋼鉄筋「グリッドメタル」を採用することも選択肢として試験的に取り組む計画があると聞いていますが
 牧角 網鉄筋の場合は鉄筋が交差をしているので、被りが厚くなり増厚幅が多くなる問題があります。グリッドメタルは平坦で施工できるので、増厚幅が違ってきます。増厚で重量が増す課題をグリッドメタルならば解消できると考えて、取り組もうと考えています。
 ただ、スーパーホゼン式工法のひとつの特徴として、鉄筋に吹き付けをして、空隙ができるところにあとから樹脂を注入することにより、一体化することがあります。グリッドメタルは平坦ですので、樹脂がうまく流れるか分かりません。その確認をして、うまくいきそうであれば、増厚を厚くせずに施工できるので、取り組んでみたいと思います。
 ――被り厚を減らせるのは大きいですね
 牧角 増厚分だけ死荷重が多くなることは、管理者側も懸念するところがあると思います。道路橋示方書では、現在の増厚の厚みは地震時の上載荷重に影響ないとなっていますが、厚みが増すことは嫌がられます。
 ――スーパーホゼン式工法以外の駒井ハルテック商材・アロンブルコートやNRアンカー、Rアンカーを協会で普及強化しようとしていると伺っています。また、関西事務局を新たに開設しました。それらの狙い、理由について教えてください。
 牧角 人と人との出会いを大事にしながら協会は活動してきました。活動のなかで、駒井ハルテックの橋梁保全事業室の方と出会い、山下前会長が言われている「光り輝く未来を子供たちに残したい」という思いにも賛同いただきました。そこで駒井ハルテックとの連携を考えました。全国組織の協会ですので、地道ながらも自分たちで紹介して商材を広めていきたいと思います。
 ――NRアンカー、Rアンカーは、落橋防止の取り付けやロッキングピアの補強などで使用していますが
 牧角 抜き取り可能なアンカーですので、仮設時の使用が多くなると思います。これまでは抜き取れなかったので、すべて埋め殺しにしなければなりませんでした。はつって、ヘッドを埋めないとならないので、手間がかかりますし、構造物も痛めます。
 ――スーパーホゼン式工法とも親和性があるということですね
 牧角 そうです。
 ――アロンブルコートは塩害に強く、本四高速で実績があります
 牧角 本四高速では30年以上の実績になります。非常にいい製品ですが、似たような被覆材はたくさんあります。特殊性というかLCCを考慮される本四高速ですと、十分コストパフォーマンスがいいのですが、単なる被覆材であるならば、単純で安価なものもあります。本四高速では30年経過しても効果を発揮していることはすごいことです。その意味でも公共事業に限らず、民間のプラントや基地などにも広めることが重要と、協会内で話をしています。最近では、大阪メトロでも採用されて広まりを見せています。


スーパーホゼン式工法の施工事例①

スーパーホゼン式工法の施工事例②

 ――関西事務局については
 牧角 関東事務局はありましたが、関西には事務局がありませんでした。山口が本部の全国組織なので営業や現場のフォローが各地区で必要です。関西にはそれがありませんでしたので、新たに開設しました。
 ――関西の会員は
 牧角 大阪2社と滋賀1社、兵庫1社、福井1社です。関西圏にはほかに会員がいないので、他県との連携を強めていきたいとの思いもあります。また、協会の技術講習会を毎年、各地で行っていますので、関西地区のキーステーションとしても考えています。
 ――先生はNME(日本メンテンナスエンジニアリング)研究所所長も務めていて、ウォータージェット(WJ)と橋梁点検車にも取り組んでいます。協会とこの研究所との連携は
 牧角 連携は考えています。NME研究所は、ブリッジハンガーやナローハンガーといった、こういうものがあれば便利だと思う商材、技術の開発をしています。中小企業1社が開発を進めようと思ってもなかなか力を入れられませんが、興味を持った人たちが集まれば、スムーズに開発が進みます。
 ブリッジハンガーも橋梁定期点検時に、市町村の幅員の狭い橋梁では橋梁点検車を設置すると救急車も通れなくなります。それを解決するために何かできないかと考えたものです。補修・補強の専門業者・エスイーリペア、建機レンタルの西尾レントオールなどと一緒に開発しました。


ブリッジハンガー

 ナローハンガーも橋台の狭いところでは、施工者が入るために橋台そのものをまず削らなければなりません。痛んでない橋台をはつるのは無駄で、ロボット化ができないかと、断面補修をしているBASFジャパンやWJ工法を展開している日進機工と開発を進めました。


ナローハンガー概要図

ナローハンガーでの施工状況

 協会との関連からすると、会員のなかにはWJを売り物にしている会社もあります。そのようなところと連携することで、得意技にしていければいいと考えています。
 スーパーホゼン式工法の床版補強は下請けでしか入れません。それぞれの地場の会員が元請をしたいなかで、ある程度の武器を持つ必要があります。そのときに、NMEとの連携が役に立ってくると考えています。
 ――ありがとうございました
(2020年1月16日掲載 聞き手=井手迫瑞樹/構成=大柴功治)

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム