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北薩横断道路も整備が進む

鹿児島県 藺牟田瀬戸架橋が大詰め

鹿児島県
土木部
道路建設課長

島田 公史 氏

公開日:2019.05.16

北薩横断 広瀬道路の進捗率は約50%
 泊野道路は3月に全線供用

 ――新設の主要事業について教えてください。まず、北薩横断道路は
 島田 鹿児島県霧島市溝辺町の鹿児島空港からさつま町を経由し、出水地域に至る約70kmの地域高規格道路です。そのうち、約21kmが完成2車線で供用済みです。現在、3箇所が事業中です。広瀬道路がさつま広瀬IC~広瀬間の6kmで2011年に事業着手しています。進捗率は約50%(事業費ベース)となっており、用地買収は完了していて、全体的に工事を進めています。
 ――広瀬道路の構造物比率は
 島田 4%となります。

 ――橋梁については
 島田 広瀬大橋(橋長191m)は3つの区間に分割して工事を進めており、中央径間(渡河部、PC単純箱桁)は上部工が完成しています。側径間の上部工を工事中で、下部工はすべて完了しています。


広瀬大橋

 長谷跨道橋(橋長27.6m)は未着手、広瀬IC橋は下部工完成しています。
 ――シラスでの切土、盛土の工夫点はありますか
 島田 当該区間の地質はシラスであったり、岩層であったりバラバラです。シラスは水を含むと弱いので、土壌の硬度によって勾配を変えています。
 ――出土したシラスを盛土にする場合の工夫は
 島田 シラスにも1次シラス、2次シラスとさまざまな種類があり、盛土に適さない部分や、水を含んでいるものもあります。粘性土や粒子が小さいといった特徴があり、土質に応じて、フィルターを入れるなど、さまざまな対応を行っています。逆にドレーンでフィルターを入れてまとめてしまうと、水が集まり法の表面が崩壊してしまうものもあり、注意が必要です。
 ――泊野道路は
 島田 さつま泊野IC~中屋敷ICまでの延長9.2kmですが、3月24日に全線供用しました。橋梁が11橋、トンネルが北薩トンネルの1箇所で、構造物比率57%で構造物の割合が高い状況になっています。
 ――構造物比率が高い理由は
 島田 紫尾山(しびさん)を跨ぐ、県下管理としては県内最長の延長4,850mの北薩トンネルがあることと、現道のバイパスの形で山沿いの線形となっているためです。工事用道路をつくることから大変でした。
 ――工事用道路は維持管理のために残しておくのですか
 島田 基本撤去が原則ですが,地権者の意向で残すものもあります。

阿久根高尾野道路 2016年度に事業化
 渡河部・跨道部などで橋梁あり

 ――事業中3箇所のうち、もうひとつは
 島田 延長9kmの阿久根高尾野道路となります。2016年度に事業化したところで、現在、測量・設計を行っており、用地買収には着手していません。

 ――予定では構造物は多くなりそうですか
 島田 泊野道路ほど多くなく、橋梁は渡河部、跨道部のみとなります。
 ――第1橋(橋長150m)の架橋位置は
 島田 高尾野ICから山を下ったあたりですが、詳細は未定です。切盛りしながら、谷あいなどで橋梁が必要となります。

都城志布志道路 全線で事業化
 末吉道路は5橋を建設予定 志布志道路 県道が国道をオーバーパス

 ――都城志布志道路は
 島田 宮崎県都城市から曽於市を経由して志布志市に至る約44kmの地域高規格道路です。半分の約22kmが宮崎県側の事業で、残りが鹿児島県の事業です。宮崎県側は国道10号から北側が直轄、南側の県境までが宮崎県となっていますが、鹿児島県側は県がすべてを行っています。全線を事業化しており、鹿児島県側は末吉IC~有明東IC間の12.6kmは供用しています。県境~末吉IC間の延長2.9kmの末吉道路と、有明東IC~志布志間の有明志布志道路(延長3.6km)、志布志~国道220号間の志布志道路(延長3.2km)で事業を推進中です。

 ――末吉道路の現況は
 島田 本線用地買収が完了し、全面展開中です。進捗率は50%です。
 ――構造物は
 島田 橋梁が5橋で、構造物比率は9%となります。本線橋2橋と跨道橋3橋です。本線橋の平松城橋は上部工製作中で、架設は2019年度内となります。橋野橋は完成しています。跨道橋3橋のうち、2橋が上部工施工中で、1橋が設計済みで2019年度着手予定です。


平松城橋(鹿児島県提供)

 ――地形は
 島田 台地状の地形でシラスです。田んぼ部分は軟弱地盤で置き換えなどを行っています。
 ――有明志布志道路の現況は
 島田 用地買収は完了していて、進捗率も89%と大部分が完了しています。橋梁は2橋で完成済みです。残区間は300mです。
 ――志布志道路の現況は
 島田 進捗率48%で、用地買収も進めています。延長3.2kmを3つの区間に分けて事業を行っています。
 一部、現道を利用します。起点側については、現在の県道と将来できる東九州道を跨ぐ形となり、高架構造と盛土で現道にタッチする区間が必要になります。現道区間は市道の2車線を県道に昇格させて4車線に拡幅する区間、終点側については交差道路が多いことから県道を高架構造にして、国道220号をオーバーパスして、整備している臨港道路と直結します。起点側と現道拡幅部、終点側の3区間となり、現在は終点(国道220号)側の工事を優先して進めています。
 ――志布志港は国際バルク戦略港湾なので重要ですね
 島田 バルクだけでなくて、国際コンテナターミナルも整備していますので、コンテナの取り扱い量も増えてくるし、バルクの飼料や木材も非常に需要が多いので、背後地と港の機能を結ぶことが道路の役割ですので、東九州道と都城志布志道路で連携を図っていきます。国土交通省の資料でも、港湾と道路のいい連携事例ということで取り上げてもらっています。
 ――大隅縦貫道は
 島田 東九州道の鹿屋串良JCTから南大隅町佐多に至る約50kmの地域高規格道路です。国道448号までは計画路線になってますが、そこから南側は候補路線ですので、北側から整備を進めています。
 鹿屋串良JCTで東九州道と直結をしており、鹿屋串良JCT~笠之原IC間の6.1kmを2014年12月に供用をしています。笠之原ICから6.5kmは現道活用区間で、国道220号を一部利用させていただいたのと、県道の鹿屋吾平佐多線を利用しています。現在は、その先の吾平道路(約4km)の整備を進めています。旧吾平町の街中が石垣や武家屋敷が残っていて拡幅ができないなので、街中を西側に迂回する道路で、用地買収中です。
 ――工事着手は
 島田 3月から終点側の一部で着手しています。
 ――構造物は
 島田 県道跨道部の橋長35mの橋梁1橋のみで、設計中です。残りは土工です。

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