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管理延長は 1253km 672橋、17トンネルを管理

沖縄県 厳しい塩害、ASRにどのように対応していくか

沖縄県
土木建築部
前 道路管理課長

多和田 真忠 氏

公開日:2019.05.09

斜面・法面 要対策は残り80箇所
 台風などにより年6箇所程度が要対策として追加傾向

 ――全国的に異常気象による土砂災害が相次いでいますが、沖縄県として道路に面する斜面や、古いのり面などをどのように補修・補強して道路を守っていくのか、具体的な事例や計画がありましたら教えてください
 多和田 平成8年の道路防災総点検に基づき、防災カルテを作成して、定期的な点検を行いながら、要対策と判断されたのり面などを優先的に対策しています。


名護本部線の法面防災工事

 ――要対策箇所数は
 多和田 総点検631箇所のうち、要対策箇所は残り80箇所となっています。進捗率は87%です。しかし、毎年、台風などにより6箇所/年程度の要対策箇所が追加になっており、引き続き、点検および対策工事を推進する必要があります。
 また、のり面のうち、特定道路土工構造(15m以上の切土および10m以上の盛土)については、県内に36箇所あり、2019年度に詳細点検、2020年度に修繕計画を策定し、計画的に点検および対策工事を行っていきます。
 ――今年度、来年度で対策を実施する箇所は
 多和田 当初予算ベースで、2018年度は25箇所(補助国道5箇所/地方道20箇所)、平成2019年度は31箇所(補助国道5箇所/地方道26箇所)です。
 ――島尻泥岩が露頭した新里層が土砂崩れを起こすと聞きました
 多和田 島尻泥岩は新鮮なときは硬いのですが、乾湿を繰り返すと粉状になりますし、亀裂に水が浸入すると脆弱になります。
 島尻泥岩が分布している箇所は、南部と中部の一部に限られていますので、ひとつの土層によるものということではありません。北部は赤土層となっています。

SGめっきや電気防食、STEP工法を採用

 ――保全に関して県独自の新技術・新材料などの活用がありましたら。例えば、古い橋で現在のようなかぶり厚がない箇所をすべてかぶり厚を増やすことは現実的でないと思います。最近では、含侵材や表面被覆という方法もありますが、そのようなものでありますでしょうか
 多和田 補修での新技術活用は特にありません。含浸材は海岸沿いで多く使用していますが、内陸部では使用しないことが多いです。表面被覆はASR抑制では必要ですが、塩害対策としてはほぼありません。先ほどのフライアッシュコンクリートによる巻き立てがあるくらいです。
 ――SGめっきは
 多和田 沖縄総合事務局北部国道事務所管内の数久田歩道橋や大平インター陸橋の鋼製支承で使用している実績があるので、耐久性についてどのような状況か確認していきたいと考えています。
 ――電気防食は海岸部のPC橋、RC橋で使用しているのでしょうか
 多和田 2橋だけです。北部土木事務所管内の東村にある川田橋(RC橋)では、過去に中央径間のみ電気防食されていました。そのため、側径間だけが損傷を受けて、外部電源方式の電気防食を行ったという事例はあります。
 ――他、耐震補強の際の省力化・省人化技術などは
 多和田 池間大橋の橋脚巻き立て補強時の締め切りで、上部工が干渉して一般的な鋼矢板締切が不可能であったため、「STEP工法」を採用しました。
 ――ありがとうございました
(2019年5月9日掲載)

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