道路構造物ジャーナルNET

2016年我が社の経営戦略 大手ファブ トップインタビュー ②駒井ハルテック

CIM、BIM対応を推進 女性技術者の育成を積極化

株式会社駒井ハルテック
代表取締役社長

田中 進 氏

公開日:2016.09.20

 当NETの姉妹メディアである「週刊 鋼構造ジャーナル」では、毎年、橋梁を主事業の一つと位置付ける鋼構造ファブリケーター各社のトップに経営戦略を訪ねるインタビュー記事を掲載している。その内容について、数回に分けて転載していく。20日は、川田工業の川田と駒井ハルテックの田中進社長の記事を掲載する。 

 ――前年度の業績は
 田中 15 年度は売上高が連結で367億円と前年度 実績をやや下回ったものの、営業利益は前年度比2倍以 上となる 20億3200万円 を確保した。増益の要因と しては、前期に受注した大 型橋梁工事が順調に推移し、追加・変更にもうまく対応できたこと、さらに前期中に橋梁分野の自動溶接機、 鉄骨ではボックスラインを 更新し、両工程の生産性がそれぞれ2〜3割向上したことなどが挙げられる。
 ――人員の動きは
 田中 大きな増減はなか ったが、橋梁は件数が多かったことから、中途採用を含めて現場の専任技術者を若干増やした。鉄骨は工場で溶接量が増加しているため、一部新規を含めた協力業者との連携強化に努めている。また、現場の溶接技能者も不足する傾向にあるためAW検定資格者を増やすなどしているが、将来的には現場自動溶接の研究・開発などにも取り組んでいく必要があると考える。
 ――16 年度の需要見通し について
 田中 新設橋梁の発注量は前年度比横ばいというのが大方の見方。国土交通省案件が減っているが、NEXCO関連や鉄道橋がその分をカバーすると いう構図だ。鉄骨 は今後、オリンピック関連を含め多 くの大型プロジェ クトが控えている。 今年度後半から同業各社とも繁忙感が増し、17〜18年度にそのピークを迎えることになるだろう。 
 ――今年度の業績目標は  
 田中 売上目標は連結で 400億円としており、うち橋梁160億円、鉄骨210億円。業績は、今年が中期計画の最終年度にあたることから、同計画で掲げ た目標の必達に向け全社一丸となり邁進していく。
 ――設備投資の計画は
 田中 両工場については引き続き老朽化設備の更新 を含め、省人化や生産効率の向上、さらに安全対策につながる設備投資を随時進 めていく。また時代の趨勢を捉え、すでに着手しているCIM、BIMの対応やアイ・コンストラクションに連動した設備の整備などにも取り組んでいく。
 ――人材の確保、育成の対応は
 田中 若手を中心とした人材の確保および 技術・技能の伝承は業界における喫緊の大きな課題であり、当社としても新卒者の定期採用とともに、若手のスキルアップに注力している。近年はとくに女性技術者の育成を積極化させており、橋梁の設計、技術開発分野で女性が中心的役割を担っているほか、現在、女性技術者が 橋梁現場代理人として2件目を担当し、安全・品質ともに高い評価を得ている。 また工場の溶接部門では昨年度、当社初 の女性AW検定資格者が誕生した。


前年度は大型橋梁工事が順調に推移(六条院)

 ――今後の戦略について
 田中 橋梁は今後も数年は年間 20万㌧ レベルの低水準の需要が続 くとみられ、受注競争が厳 しさを増すなかでいかに受注量を確保していくかが課題となる。総合評価方式に よる一般競争入札制度が定着するなか、コスト競争力、 技術提案力、積算力を一層 高めるとともに、工事成績 評価点の向上を目指し、技 術力や現場施工能力を含め た企業としての総合力強化を推し進めていく。橋梁の保全事業については「らく らくブラケット」や「アロ ンブルコートZ  X、Z  Y工法」などの自社開発製品を活かし、他社との差別化を図った事業展開を一歩一歩、着実に進めていく。 また鉄骨は大きな山が控えているが、足元をみると、個々の物件の動きが総じて遅い。それら物件が来年度 までずれ込むと、他の案件と加工時期が重複すること となり物理的にさばき切れないような事態も想定され る。そうした状況に陥らないためにも客先への技術提案を継続するとともに、山積み対策などについても提案させていただき、業界のリーディングカンパニーとしての自覚を持ってしっかりと対応していきたい。 (聞き手・田中貴士、文中敬称略)

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