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架設後50年以上の橋梁は1100橋、トンネルも5割

福岡県 5017の橋梁、31本のトンネルを管理

福岡県
県土整備部
道路維持課長

小路 智 氏

公開日:2016.09.07

ロッキングピア形式は1橋管理

 ――熊本地震で起きたロッキングピアを有する橋梁の耐震対策が急務とされていますが県管理橋梁でその種の橋梁はありますか
 小路 九州縦貫道を跨ぐ橋梁で1橋(宮若市、宮田SIC近くの有木第1橋)あります。建築限界などを考慮してロッキングピアが採用されたのでしょう。どのような工法で補強するかは未定です。

橋梁補修 今年度は91橋で工事着手
 今後架け替えは24橋を予定

 ――長寿命化修繕計画に基づいた対策の進捗状況について。また、具体的な損傷状況と補修内容についても、例を挙げて下さい
 小路 橋梁長寿命化修繕計画については、平成22年度に策定しております。策定時点では「速やかに補修が必要」と診断された橋梁が226橋でした。
 以後、210橋の補修、32橋の架け替えをおこないまして、平成27年度末時点で「速やかに補修が必要」と診断されている橋梁が250橋ございます。うち補修を予定している橋梁は、226橋です。(架け替えは、24橋)
 補修工事を必要とする226橋については、平成28年度予定といたしまして、91橋に工事着手し、そのうち71橋は完了予定となっています。
 平成26年度の道路法施行規則の一部改正以降は、新たに「速やかに補修が必要」となる橋梁も増加していく傾向が見受けられるため、点検・診断の結果に基づき、対策の進捗を図って参ります。
 ――点検ですが、渓谷部など通常の手法では点検がしにくい分野で特殊高所技術や広幅員対応の点検作業車を採用するケースが増えています。福岡県ではそうした手法を採用したこと、今後する予定はありませんか
 小路 実際に中山間部の長大橋の中には、下部からのアクセスがほとんど困難な箇所もあります。現在は高所作業車や広幅員を点検できる作業車がメインとなっています。但し、特殊高所技術など新しい技術を取り入れることも考えていかなければならないと感じています。

上部工補修補強は今年度約50橋
 床版防水は平成8年度以降正式採用

 ――経年劣化や疲労などによる上部工補修・補強のここ3年の実績と2015年度施工済み及び施工予定数量、16年度の施工計画について
 小路 上部工の補修・補強の実績としましては、平成25年度が約70橋、平成26年度が約60橋、平成27年度が約60橋を実施しております。今年度は約50橋を予定しています。断面修復などの補修がほとんどで、補強は多くありません。
 ――床版防水の施工状況(コンクリート床版を有する全橋梁に占める施工済み割合が分かれば)今後の施工方針、採用する工法などを教えていただけましたら幸いです
 小路 床版防水が未設置の橋梁については、橋梁補修や舗装補修時に防水層を設けております。本県では、平成8年度より床版防水を採用しておりますが、コンクリート床版を有する全橋梁の床版防水の有無は把握しておりません。
 車道部はシート系、歩道部は塗膜系が用いられる場合が多いですが、各諸条件を考慮して選定しています。
 コンクリート床版が水により損傷を速めるということは理解していますので、今後近接目視によりひび割れなどの損傷が見つかれば、床版防水工も含めて早期の対応を行うなどしていければと考えております。
 ――舗装の打ち替えや床版防水の施工を行う際に気をつけなくてはいけないこととして、既設舗装を剥がす際の過切削の課題があります。特に古い年代に作られた厚さの薄い床版は、それが余寿命にダイレクトに効いてきますが。県としてはどのように考えていますか
 小路 古い年代の床版はその鉄筋上面の被り厚がただでさえ薄く、さらに舗装打ち替えや修繕のために切削すれば、鉄筋が露出してくる――そうしたことが起こりうるとは考えています。但し、実際に事例把握はできていません。基本的にはそうした個所が見つかれば、被り厚分の断面を回復させる、もしくは回復させた上で必要な箇所は補強し、舗装を打ち替えるなどの対策が必要であると考えています。また、各橋梁の(実際の)床版厚さまでは把握できていません。

支承取替は1橋、ジョイント取り換えは5橋
 熊本地震を考慮した踏掛版設置などの対策も検討

 ――支承取り替えやジョイントの取り替えおよびノージョイント化について、今年度の施工予定箇所数と取り替える際の工法・種類を教えて下さい
 小路 今年度は、支承取り替え予定の橋梁(やよい橋(飯塚市))が1件あります。これから設計を予定しており、工法はまだ決まっておりません。また、ジョイントの取り替えは5橋(岩ヶ元橋・夏吉橋(田川市)、金辺(きべ)橋・清瀬橋(香春町)、米田大橋(川崎町)を予定していますが、このうちノージョイント化はありません。
 ――熊本地震では、橋梁の一部で落橋は生じなかったものの、橋台のジョイント部で大きな段差が生じてしまい、緊急輸送車両の走行に支障をきたしてしまう例も見られました。そうした点を鑑みて、踏掛版や延長床版などの採用を図るケースも出てきています。福岡県はどのように考えていますか
 小路 平成24年道示で設計された新設橋は、踏掛版を全て設置していますが、それ以前の橋梁は、緊急輸送道路上に設置している橋梁も含め、そうした施設が無いものも少なからず存在します。そのため優先度の高い橋梁や被災のリスクの高い橋梁については、そうした対応を行うことも当然出てくると考えます。そのためにも熊本の地震データを(国交省を通じて)提供していただいて、福岡県にあてはめる形で検討していかなければ、と考えています。
 「速やかに機能を回復させうる」レベルを全ての橋梁で対応するのは不可能ですから、リスクの高い箇所、断層の近いところ、移動の方向に直角な橋梁で検討していきたいと考えています。

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