道路構造物ジャーナルNET

他社に自社の技術を使ってもらう

「ピーエス三菱ファン」のパートナーづくりを進める 

株式会社ピーエス三菱
代表取締役社長

藤井 敏道 氏

公開日:2016.07.01

人員も新設から保全へシフト
 各地区の施工パートナー探しも必須

 ――保全に相当注力する必要がありますね。
 藤井 そういう状況になるという認識を一人一人が持つ必要があります。また、要員を新設から保全にシフトしていく必要があります。もう1つは、何かも自社でやるのではなく、ニューテック康和(ピーエス三菱の維持補修専門子会社)等のグループ企業間の役割分担も大事になってきます。大規模更新・大規模修繕事業は、要員を集中的にたくさん配置しなくてはならず、それを当社グループだけで担うのは難しいため、各地区におけるパートナー探しも重要です。
 ――保全におけるイチ押しの新技術・新工法は
 藤井 やはり半断面床版取替工法ですね。片側車線規制しながら床版取替をできる技術であり、これは他社にない技術です。ただ、自社施工だけで儲けるのは難しいと考えています。

物を供給して儲けるという選択肢

 ――というのは
 藤井 他社が当社の技術および資機材を使っていただくことによって、儲けていくという構図が出来ないと当社が利益を上げていくのは難しいと思います。人手の問題を考えれば、地元ゼネコンに技術やプレキャスト部材、その他補修補強製品などを供給することで儲ける体制をつくらないと生き残れません。補修資材という面では三菱マテリアルとアライアンスを組んでいる強みが大きく活かせると思います。
 機材面でも、他社がそうした特殊な機材や技術を必要にした時、当社グループにはピーエスケー(PC工事の資機材、エンジニアリング専門会社)があり、こうしたグループ会社を上手く活用してもらうことも重要です。
サプライチェーン全体で儲けていくことを考えていかなくてはいけないと考えています。中期経営計画の中で強調しているのは、今までのように単体で工事を受注して儲ける時代ではもはやなくなっている、ということです。サプライチェーンを構築し、他社が施工しても収益を上げることができる(当社の材料や工法が競争力を有する)というビジネスモデルを構築しなくてはいけないと考えています。

国外の人材も活用
 女性が働きやすい環境を整備

 ――人員規模について今後は
 藤井 増やす必要があります。国内の土木部隊は現在の規模以上にはなりませんが、会社の成長のために海外事業の受注、PC製品の供給にも力を注いでいく必要があると思います。それを考えると採用は長期的に増やしていかなくてはいけません。
 ――人材の採用の仕方としては、国内で採用するのですか、 海外事業の現地化のために国外の人材確保に傾注するのですか
 藤井 当社は現在、ベトナムとインドネシアに太いパイプ(CC1、WIKA)を有しています。そうした国々の人材を活用するということは必ずやらなくてはいけません。
 翻って国内を見ると、土木分野の技術者の供給源は細っています。この現実も見なくてはいけません。
 一方で女性の採用も今まで以上に増やすとともに、女性がより働きやすい職場づくりを目指し、管理職、経営幹部を歴任していただける人材の育成を図りたいと考えています。
 ――そのためには職場環境の女性視点での改善、産休や男性も含めた育休の取得し易さなども考慮していく必要がありますね
 藤井 三菱マテリアル時代にも感じたことですが、女性の従業員の退職のタイミングは何回かあって、結婚時、出産時、配偶者の転勤時などがありました。配偶者の転勤時になぜ辞めるかというと、一方が単身赴任になった場合、もう一方が仕事と育児を1人で担わなければならず、疲弊してしまうためです。環境を整えることで、そうした事態を回避していきたいと考えています。
 ――人材の歩止まりといった点では、民から官への人材流出も依然続いているようですが御社は
 藤井 当社も例に漏れず、そうした事態が起きています。
 ――20代はある意味育成のために投資しているわけで、さあこれから稼げるぞ、といった矢先に30代で辞められるのは大変な損失ですが、こうした事態を防ぐため会社へのロイヤリティを維持させる施策は
 藤井 ロイヤリティを保たせるためには給与の増額だけではだめで、やりがいや福利厚生面が大事であり、その点を今まで以上に充実させていきたいと考えています。

中国自動車道の道谷第二橋で半断面床版取替工法を初採用
 建築分野でもPC構造の拡大目指す

 ――最後に印象的な現場を
 藤井 至近では春に施工が本格化している中国自動車道の道谷第二橋があります。同橋工事では劣化した既設床版を撤去し、プレキャストPC床版に取替えます。ここで半断面床版取替工法を初めて採用しています。


施工が進む道谷第二橋(左写真:架設機の設置、右写真:既設床版の切断)

 新設橋では、白虹橋があります。自然景観と調和した橋梁で、宇治の平等院から近く市民の散策コース近くに建設されています。ドローンを使用して水面との距離を測りながら施工していました。他にも北海道では、札樽道朝里川橋(NEXCO東日本)など長大橋の建設工事を進めています。


白虹橋(自碇式PC吊床版橋、国土交通省近畿地方整備局発注)

北海道横断自動車道 朝里川橋(PC8径間連続ラーメン箱桁橋、東日本高速道路発注)遠望

 また、建築分野でもPC構造を拡大していきたいと考えています。設計・施工一括で引き受けることで、売り上げだけではなく利益率を向上させていきたいと考えています。そのためには一般の需要家に対してPC建築のファンになってもらわなくてはならない。成田の国際医療福祉大学の新設工事ではPCaPCで建設しています。プロセスを400人以上の方に公開しながら施工しました。DVDやパンフレットなど販促材も積極的に配布し、PC建築の良さを知っていただくことに努めています。
 東北では、地元ゼネコンとJVを組んで復興住宅をPCaPCで建設した案件もあります。地元ゼネコンだけで施工することは無理ですが、当社だけではマンパワーが足らないこともあります。そうした時に協力しつつ、PC建築のファンを増やしていくということにも力を注いでいく必要があります。
 ――ありがとうございました

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