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南北方向の円滑な交通を実現すべく事業に注力

静岡県 新々富士川橋、静浦1号トンネルなどが進捗

静岡県
交通基盤部
道路局長

平野 忠幸 氏 氏

公開日:2016.03.31

管理橋梁は3,314橋 50年以上は1,244橋
 トンネルは145箇所を管理 在来矢板工法が85

 ――次に保全について県管理橋梁の内訳から
 平野 県管理橋梁は平成27年4月1日現在3,314橋あり、橋種別内訳は鋼橋472橋、PC橋503橋、その他RC橋など2,339橋となっています。供用年次別では50年以上の割合が1,244橋と37.5%に達しており。今後は高度成長期に作られた多くの橋梁が順次高齢化することで、10年後には843橋が新たに橋齢50年を迎えることになり、63.0%が供用50年以上のいわゆる高齢橋になります。
 橋長別は15㍍未満が2,349橋、15㍍以上100㍍未満が825橋、100㍍以上が140橋となっています。


静岡県管理橋の橋種別内訳と橋齢

橋長別内訳

 ――トンネルは
 平野 145トンネル(総延長34,420㍍)を管理しています。
 工種別は在来矢板工法が85(18,742㍍)、NATMが60(15,678㍍)となっています。
 延長別は200㍍未満が87(在来58、NATM29)、200㍍以上500㍍未満が45(18、27)、500㍍以上1,000㍍未満が10(7、3)、1,000㍍以上が3(2、1)となっています。なお緊急輸送道路上に位置するトンネルは95箇所となっています。


静岡県が管理するトンネルの工種別内訳と供用年次

工種ごとの延長別内訳

 供用年次別内訳は、供用後50年を経過しているものが34箇所で23%となっています。次いで40年以上50年未満は27カ所でこの61箇所は全て在来工法です。30年以上40年未満は27箇所(在来23、NATM4)で30年以上のトンネルは押し並べて在来工法により施工されたものが多く、今後の変状対策、設備更新を計画的に実施していく予算の確保が課題です。

区分Ⅲ RC橋が最多で47橋、次いで鋼橋が23橋
 PC橋では桁にひび割れが確認されたケースも 

 ――橋梁の点検状況は
 平野 県では平成16年度に「橋梁点検マニュアル(案)」を策定し、5年に1回すべての橋梁において定期点検を実施することとしており、17~19年度にかけて1巡目、22~25年度にかけて2巡目の点検を行いました。その後、道路法及び関係法令の改正を受けて、26年度に「静岡県橋梁点検マニュアル」を改定し、全部材を近接目視により点検することとし、26年度から3巡目の点検に着手しています。
 ――新しいマニュアルに基づく点検を26年度に行っていますが、その結果は
 平野 26年度は554橋を点検しました。その結果、区分Ⅰ(健全)が128橋、区分Ⅱ(予防保全段階)が346橋、区分Ⅲ(早期措置段階)が80橋という結果で、区分Ⅳ(緊急措置段階)と判定された橋梁はありませんでした。


(左)区分表/(右)点検結果と区分Ⅲの橋種別内訳

 区分Ⅲとした80橋については、早期に補修するため、平成28年度から補修設計に着手していく予定です。また橋種・部位ごとの損傷傾向ですが、区分Ⅲの内訳で言うと、RC橋が47橋と最も多くなっています。その中では、コンクリート桁のひび割れ・剥離・鉄筋露出が32橋と多く見られました。損傷のあるコンクリート橋は、架設後50年を経過したものが多くを占めており、漏水などによるコンクリートの剥離・鉄筋露出が目立っています。
 次いで鋼橋は23橋あり、うち12橋が鋼材の腐食に関する損傷であり、主に漏水を原因として桁端部に生じています。PC橋は10橋と数が少ないものの、桁にひび割れが確認されたものもあります。

耐震補強 平成34年度末までに573橋を対策
 27年度末で329橋が完了

 ――橋梁の耐震状況は
 平野 大規模災害発生時に、救急・救命活動や支援物資の輸送、復旧・復興活動を迅速に行うため、「静岡県地震・津波対策アクションプログラム2013」に基づき、緊急輸送路を始めとした橋梁の耐震対策を実施しています。平成34年度末までに重要路線などにある573橋について耐震対策を完了させる予定です(右表)。26年度末までに309橋が完了しており、27年度末にはさらに20橋で対策を完了させました。41橋中7橋で落橋防止装置(鋼製ブラケットタイプ)を設置しています。
 27年度の主要耐震補強工事としては、河津町内の国道414号七滝高架橋があります。昭和55年に供用された鋼製橋脚を有する2層のループ橋で、一般的な当て板補強のみでは対策ができないことが判明したため、免震支承に取り替えて免震構造にする対策を施しています。


26年度に耐震補強を行った(一)富士由比線富士川橋

国道414号七滝高架橋の耐震補強

支承交換前(七滝高架橋)/免震支承を採用(七滝高架橋)

劣化の著しい107橋を緊急対策
 計画 27年度に舗装・橋梁を見直し、斜面・トンネルを新たに策定

 ――橋梁の中長期管理計画に基づいた対策の進捗状況は
 平野 管理上重要な橋梁のうち、1巡目の点検で確認された特に劣化の著しい107橋について、平成22年度から28年度の7年間で緊急対策を行い、維持管理費を抑える「予防保全型の管理」への移行を図っています。26年度までに101橋(94%)の対策が完了する見込みです。このほか2巡目の点検で損傷が確認された橋梁についても、順次補修を行っています。
 平成27年度は、国道150号の掛塚橋など6橋で工事を行っています。掛塚橋は昭和30年(1955年)に架設された15径間の鋼トラス橋であり、鋼材の亀裂、腐食による断面欠損などが確認されたことから、早急に補修を行う必要が生じました。具体的には当て板補修、塗替塗装(24,910平方㍍)を行っています。


掛塚橋全景(塗替前)

掛塚橋(塗替後)

鋼材の亀裂部(左)と当板補修(右)

塗装の劣化状況(左)と塗替完了状況(右)

 道路施設の中長期管理計画について、舗装、橋梁については27年度に見直しを進め、斜面とトンネルについては27年度に新たに策定しました。

上部工の補修補強 28年度は37橋を予定
 床版防水は平成8年から設置

 ――経年劣化や疲労などによる上部工の補修・補強のここ3年の実績と平成27年度の施工数量、28年度予定は
 平野 平成25年度は46橋、26年度は59橋、27年度は54橋で対策を実施しました。28年度には37橋を予定しています。損傷としては床版防水が未実施の橋梁で、床版や伸縮装置からの漏水が原因とみられるコンクリート部材のひび割れや剥離、桁端部や支承の損傷が多く見られました(詳細は右表)。対策として、断面修復やひび割れ補修、支承補修を行うとともに、再劣化を防止すべく床版防水の設置や伸縮装置の取替による非排水化も合わせて行っています。鋼床版に関して疲労亀裂は確認されていません。


静岡県の床版防水の考え方

 ――床版防水はそもそもいつ頃から設置されていたのでしょうか
 平野 本県では、平成8年度から新設橋で床版防水の施工を行っています。これ以前の橋梁で床版防水のないものについては、舗装打替時に設置するようにしています。新設橋の車道部はシート系防水層、歩道部は塗膜系防水層とし、補修時には塗膜系防水層を施工しています。


(主)伊東修善寺線 小屋の洞橋の損傷状況 
左から橋面の轍状況、床版上面の土砂化・鉄筋腐食、床版下面の1方向貫通ひび割れ、床版コンクリート復旧


補修後の路面状況

二重の非排水構造が基本
 伸縮装置の交換は27年度11件施工

 ――支承取替や、ジョイントの交換およびノージョイント化について
 平野 平成27年度の支承補修工事は3件あり、内容は取替が1件、塗装塗替が2件です。支承取替を行っている掛塚橋では、鋼製ローラー支承が腐食してローラーの逸脱が生じたことから、ゴム支承への取替を行っています。他、国道301号鷲津跨線橋、一般県道蔵田島田線小川橋ではそれぞれ塗装塗替を行いました。


掛塚橋鋼製支承のローラー逸脱状況(左)/プレート欠損状況(右)

 平成27年度の伸縮装置の取替は、11件です。排水タイプの伸縮装置やゴムの劣化により、桁端や支承部に雨水が供給され、損傷の原因となっているため、積極的に取替や非排水化を行っています。本県では支承などに排水が流れないようにする二重の非排水構造を基本としています。
 ノージョイント化については、以前、国道362号の榛原郡川根本町徳山に架橋されている淙徳橋(橋長243㍍、PC5径間連続ラーメン箱桁橋)で外ケーブル補強((L=53.938㍍を12組、L=58.5㍍を6組 F200TS)により3箇所ゲルバーヒンジ部を除去し連結化した工事を行ったことがあります。また同工事では主桁側面下面に炭素繊維シート接着(1,902平方㍍)、主桁下面に鋼板接着((t=6~9㍉)470平方㍍)および落橋防止装置システムの設置を行っています。 


淙徳橋では3箇所でゲルバーヒンジ部を除去した。(写真左)は外ケーブル補強、(写真右)は鋼板接着

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