道路構造物ジャーナルNET

山形県 一方で架替えも増加、予防保全に積極対応

薄く、ぜい弱な高速道路網を拡充へ

山形県 
県土整備部長

上坂 克巳

公開日:2015.04.16

羽黒山橋の工事に着手
 鋼曲弦トラス形式で計画


    施工中・着工予定の橋梁一覧(拡大してご覧ください)

 上坂 最上地方では、真室川町の主要地方道真室川鮭川線で安久土橋(133㍍)の架け替え(鋼3径間連続箱桁)を進めています。こちらも緊急輸送道路上に位置し、幅員の狭い老朽橋であるため架け替えるものです。下部工は完了しており上部工に着手予定です。

 
                    【安久土橋写真】

 同線では栗谷沢橋(115.8㍍、鋼4径間連続鈑桁)の建設も進めており、現在は下部工を施工中です。
 置賜地方では、ICアクセス道路として整備を進めている国道287号長井南バイパス区間において最上川に架かる長大橋であるしらかわ大橋(360㍍)を昨年度完成させました。

 
                         【しらかわ大橋写真】

 庄内地方では庄内橋のほかに鶴岡市において県の主要な観光地である羽黒山神社へ通じる羽黒山バイパスの建設を進めており、その根幹となる羽黒山橋(272㍍)の工事に着手しました。同橋は修験道の修行の現場となる深い峡谷を跳ばす場所に架ける橋で、上部工は数年先になりそうですが、鋼曲弦トラス形式で計画しています。基礎は地滑りを考慮して深礎杭を採用しています。
 ――今後着工予定の構造物は
 上坂 ほか、街路橋として酒田市内に新内橋(89㍍、幅員33㍍、鋼2径間連続鈑桁橋)の建設を今後始めます。山形山寺線でも高瀬川橋(89㍍、鋼鈑桁)の架け替え事業を進めています。現在は用地買収中です。


                     【高瀬川橋の現橋写真】

 また、置賜地方の白鷹町で幅員が狭く老朽化した最上川に架かる荒砥橋(322㍍)の架け替え(鋼7径間連続少数鈑桁)事業に着手しました。現在は前後取付区間の用地買収を進めながら河川管理者との協議を行っています。


                     【荒砥橋写真】

 ――鋼橋が多いですね
 上坂 架け替えはどうしても河川を跨ぐ枢要な橋が多く、スパンを跳ばすことを考慮すると鋼橋になります。また添架物に配慮しながら施工しなくてはいけないため、手間も時間もかかります。床版は全てRC床版かPC床版で鋼床版はありません。

内面塗装を120μm増し塗り
 桁端部の下地や支承に金属溶射

 ――設計中の構造物は
 上坂 県道赤湯停車場線の花見橋を設計中(50㍍弱)で、主要地方道天道大江線の貫見3号橋(56㍍、単純鋼箱桁)4号橋(55㍍、単純鋼箱桁)、6号橋(37㍍、単純非合成鈑桁)などが設計を完了しています。また鶴岡市内(県道藤島駅笹花線)で歩道橋の架替えを計画しています。
 ――長期耐久性向上のための工夫は
 上坂 馬見ヶ崎橋や亀井田橋で箱桁内部の内面塗装を変性エポキシ樹脂塗料で1層120μm増し塗りしています。伸縮装置からの凍結防止剤を含んだ漏水による対策として桁端部の下地に金属溶射を追加施工しています。同様に支承の防食処理を通常の溶融亜鉛めっきからAl-Mg合金溶射に変更しています。
  また、庄内橋では防護柵や排水装置でステンレス製など高耐久性の素材を用いた製品を採用しようと考えています。
 ――架替えが非常に多いですが、それ以外の事業は
 上坂 建設中の東北中央自動車道へのアクセス道路や追加ICの用地買収事業および整備を進めています。

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム