道路構造物ジャーナルNET

伊良部方式の防食対策を施して施工

泡瀬人工島連絡橋などを建設

沖縄県 土木建築部
中部土木事務所長

仲村 守

公開日:2015.04.01

飛来塩分による塩害
 鋼・コンクリート問わず

 ――次に保全について現在の管内橋梁の内訳から
 仲村 管内では102橋を管轄しています。上部工形式別では鋼橋が36橋、PC橋が11橋、RCが21橋、ボックスカルバートが34個所となっています。
 供用年次別では本土復帰前が12橋、復帰後が90橋となっています。


                     管内の橋梁内訳と長寿命化進捗状況(平成26年度末現在)

 ――点検を進めてみてわかった損傷の傾向を上部工形式や部位別にお答えください
 仲村 まず鋼桁については、飛来塩分による塩害により腐食や塗膜剥がれなど防食機能の劣化が生じています。
 コンクリート部材は施工時の乾燥収縮や塩害、疲労などにより浮きやひび割れが見られます。


                         ボルト部の腐食損傷

                ひび割れによる損傷

 ――橋種別でもう少し詳しくPC桁の健全度状況から
 仲村 現時点で特に損傷箇所はありません。
 ――RC桁は
 仲村 塩害などによる損傷が生じている箇所もあります。例として、県道6号線西川橋(RC橋、L=7.9㍍、1972年架設)において、鉄筋位置で主桁部1立方㍍あたり1.86㌔、橋台部1立方㍍あたり4.3㌔。飛来塩分によるもの。平成24年度に補修工事を完了しております。
 ――部位別では
 仲村 床版は、鋼床版については採用事例も少なく損傷も特にありません。RC床版の損傷はひび割れ程度で、活荷重由来とみられる疲労によるひび割れはあるかありません。
 橋脚の損傷状況はひび割れ程度で主な要因は乾燥収縮によるものです。
 支承は鋼製支承で腐食を生じています。
 地覆もコンクリートの浮き・剥離、鉄筋腐食が生じています。
 高欄の損傷状況はコンクリート部接続ボルトの腐食で、主な要因は雨水等によるものです。


         高欄の損傷                      地覆部コンクリート損傷状況

21橋が完了予定
 橋脚耐震補強が進捗

 ――橋梁の耐震補強の進捗状況は
 仲村 管内で橋脚等の耐震補強が必要な橋は35橋あり、26年度末までに12橋が完了しました。平成26年度から2橋で対策を行っています。
 主要地方道の伊計平良川線の世開橋で橋脚のRC巻立ておよび打増し、県道153号のCランプ橋で橋脚のRC巻立て、炭素繊維シート貼付けによる補強を行っています。
 また、落橋防止工の設置が必要な2径間以上の橋梁は10橋ありますが、そのうち平成8年道示以降に補修した6橋はすでに落橋防止装置を設けています。ほか改良事業に合わせて対策した2橋、橋梁長寿命化に合わせて4橋、合計12橋を実施済みです。今年度も県道6号線他9橋で落橋防止工を設置します。


                      平安座海中大橋と世開橋

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