道路構造物ジャーナルNET

組織の在り方や人材の育成手法をどう変えていくか

本格的な保全時代を迎えつつある阪神高速道路の技術・人材育成

阪神高速道路株式会社
代表取締役専務執行役員

幸 和範 氏 氏

公開日:2015.02.01

 人員は足りない状況も想定
 周辺自治体対象に勉強会を開催

 ――保全時代の技術力強化策、国内外への他発注機関への展開は
 幸 現在の事業状況、人員に鑑みて、今後も極端に人がだぶつくという状況ではありません。これに湾岸線や淀川左岸線の延伸の事業を引き受けるということになれば、逆に人が足りないという状況が生まれる可能性があります。しかし、現時点ではマンパワー的には厳しいのですがいくつかの地方自治体から構造物点検を受注しています。阪神高速道路では、数年前から周辺自治体職員を対象とした構造物点検・診断の勉強会などを開いており(メンテナンス実務者コミュニティー(MEC))、その受注という成果に結びついているのだと思います。


                淀川左岸線トンネル部

 自治体の道路も管理
 水準のすり合わせが課題

 もう1つは包括的な管理事業として、料金収受からパトロール、点検、診断、補修というパッケージを阪神高速道路周辺の有料道路事業について受託しています。具体的には咲洲トンネルと夢咲トンネル(大阪市港湾局)、第二阪奈道路(大阪府道路公社、奈良県道路公社)の管理(大阪府側は受託、奈良県側は競争入札)などがあります。


       咲洲トンネルと夢咲トンネルを管理                  第二阪奈道路も管理     

 課題は阪神高速道路と受託した有料道路事業の管理水準が違うことです。このすり合わせをどのように追求していくかが課題です。お客さまは阪神高速道路のレベルの安全・安心・快適を期待されていますので、コストを上げることなくてそうした要望に対応すべく努力しているところです。
 ――国外への展開は
 幸 維持管理技術コンサルタントを中心に動いています。タイ、インドネシア、フィリピンなどの東南アジア諸国の事業者とは古くから技術交流上の付き合いがあります。次いで10年前から上海市の道路部局との技術交流などを行っています。それらの蓄積の結果が、ビジネスに結びついています。
 ――具体的には
 幸 上海に3年前に弊社グループ会社が出資した子会社がありますが、昨今のPM2.5や視界不良などの深刻化もあり、道路環境に関するセミナーを同子会社で行ったところ100人以上もの参加者が集まりました。現在、このセミナーが中国の全国に広がりつつあります。
 タイとは30年以上前から技術交流で付き合いが続いています。タイも今や中流国であり、都市内のネットワーク整備も一定程度進んでおり、維持管理の時代に差し掛かろうとしています。その状況に応えるべく当社では点検技術、それを解析・診断する技術などについてビジネスフィールドで考えていこうとしています。


      中国で行っている道路環境に関するセミナー           タイとは30年以上にわたり技術交流がある

 アフリカではエチオピアやケニアにJAICAベースで専門家を派遣していましたがケニアについては非常に大きな道路整備事業の中の設計、施工管理と維持管理のマニュアル作りを片平エンジニアリング・オリエンタルコンサルタンツとJVで受注しました。当社は高架橋の維持管理の経験が豊富なことから、維持管理を考慮した高架橋設計に対するアドバイス、施工管理、そして供用後の維持管理マニュアルの整備および従事する技術者のトレーニングを担当します。

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