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東京都 トンネルも長寿命化計画を今年度策定

約200橋を長寿命化対策

東京都建設局
道路保全担当部長

川合 康文 氏

公開日:2014.12.01

しっかりと対策
塗膜剥離時の安全管理

 ――今年度の鋼橋塗替え予定は。
 川合 今年度は一般道路橋で約30橋、横断歩道橋で約50橋の塗替えを予定しています。
 ――PCB含有塗膜の有無は。
 川合 橋梁台帳上の履歴を調べる限り、今のところ該当ありません。ただし塗膜の成分調査までは行っていませんので、1種ケレンを行った上で塗り替える場合には工事の前に塗膜片を採取して成分調査を行い、塗膜剥離工法を選定します。
 ――鉛・クロム含有塗膜対策については。
 川合 1種ケレンの場合は含有量調査を行い、関係法令に基づき適正に対応していきます。作業にあたっては塗膜剥離剤による湿式を基本とし、完全に現場を密閉して施工し、施工後はクリーンルームにてきっちり洗浄してもらいます。
 しかし、塗膜剥離材については、既存の塗膜が厚いと何回も塗らなければいけない、添接部に関しては特に落ちにくいという結果が試験施工で分かっており、この改善を求めたいと考えています。改善がなされれば、作業員の安全性をより考慮すべく使用する現場も多く出てくるかもしれません。なお、3種ケレンでは鉛を含む旧塗膜の除去量が比較的少ないので、飛散防止対策等について関係機関と協議しながら進めていきたいと考えております。

二層式低騒音舗装を採用

 ――高機能舗装の設置について。
 川合 低騒音舗装は、夜間環境基準(騒音)超過区間(65デシベルを超える区間)で実施しており、現在、実施・予定数量の規模は大きいため、低騒音舗装のみでの集計は特に行っていません。
 遮熱性舗装および保水性舗装は、センターコアエリアを中心とした重点エリアにおいて実施しています。重点エリア内において、夜間環境基準(騒音)超過区間は低騒音舗装が必要となることから、その機能を損なわない遮熱性舗装とし、超過しない区間は保水性舗装としています。13㍉トップの骨材を用いた表層の上部に5㍉の骨材を用いた表層を一体で施工するいわゆる二層式低騒音舗装を採用しています。表層上部の粒径を小さくして低騒音の効果を上げています(二層式低騒音舗装)。
 ――法面の対策については。
 川合 法面については、斜面定期点検として5年に1回、ヘリコプターなどによる斜め写真撮影および現場踏査を実施し、斜面状況の診断を行っています。この点検は危険箇所だけでなく、対策が完了した箇所でも損傷や斜面の変状が起きていないかどうかを詳細に点検しており、損傷や変状があれば速やかに対応するようにしています。なお、長寿命化修繕計画は立てていません。
 ――法面についてセンサーなど新しい点検技術の適用は行っていますか。
 川合 以前崩落した箇所については一部でワイヤーセンサーなどを導入している箇所もあります。しかし、基本は日々の巡回点検と5年に1度の詳細点検により診断を行うものとしています。また、危険ランクの高い箇所については詳細点検の頻度を高くし、損傷の早期発見に努めています。

マイスター活用し技術レベルを向上

 ――今後の課題について、特に最近では全体的な事業増による不調・不落の増加が懸念されていますが、東京都の保全分野はどのような状況でしょうか。
 川合 2020年に開催されるオリンピックを控えて色々な事業が増えることで、保全分野における不調・不落が増加していることは事実です。さまざまな契約制度を活用することで、なるべく不調が起きないようにしたく存じます。
 また、国は新しい点検制度(橋梁・トンネルなどの道路インフラにおける5年に1回の点検義務化などが柱)を作りましたが、東京都はそれ以前から行っていました。その歴史と国との色々なやり方の違いをどのように調整していくか、ということも課題としてあります。基本的に日常点検はインハウス、5年に1度の詳細点検は外部に発注しています。
 土木技術支援・人材育成センターで、職員向けに劣化した床版を切り取って、それを用いた点検や補修の研修を行っています。同センターには専門分野に秀でているマイスターがいますので、そうした者を講師にして職員の維持管理技術レベルを向上させています。
 ――ありがとうございました。

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