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インタビュー詳細

「生産空間」を守り育てる

旭川開発建設部 高原大橋の架け替え、新富良野大橋の建設などが進捗

国土交通省
北海道開発局
旭川開発建設部長
樺澤 孝人 氏

基礎は杭形式を採用

 上部工は橋長170mの鋼4径間連続箱桁橋

 ――今次の水害を考慮し基礎設計はどのようにしましたか

 樺澤 被災後の詳細調査の結果、架橋部の表層地盤は浸透性が高く流況で変動しやすい砂礫、その下層は火山灰層が分布していることが判明、流況の変化や河道が狭くなる橋脚部での乱流による河床低下等の影響で橋脚に沈下・傾斜が発生しました。

 そのため洗掘対策として根固めブロック(4tに達する)の設置と土被りの確保を行い河床低下による再度の被害防止を図ることとしました。さらに被災後の地質調査の結果より杭基礎を採用しております。


下部工の施工

 ――上部工の形式は

 樺澤 鋼4径間連続箱桁橋を採用しました。橋長は170mです。

 ――今後、こうした水害にはどのように対応していくべきなのでしょうか

 樺澤 高原大橋の上流の河川は、もともと原始河川で(護岸などは)存在していなかった個所でした。反面、様々な支流が一気に集まってくるところでしたから、河川計画というよりは、橋台を守るための護岸というのはずいぶん伸ばしました。

 ――高原大橋の本復旧工事の進捗状況は

 樺澤 上部工の架設が完了した状態です。今後床版工事以降を施工します。桁架設はトラッククレーン+ベント架設です。


上部工の架設状況


 ――富良野の大平橋もよく、被災直後に直しましたね。惨状は被災の2週間後に訪れた私でも実感できました

 樺澤 相当水が来ていたので、河川事務所の方から通常道路では使わない消波ブロックを借りて、水をだいぶ減衰させてから対応しました。本当にあの大水の中で突貫工事を良くできたと思います。


北海道縦貫道(士別剣淵~名寄)事業進捗率は65%

 音威子府BPでは4,686mの音中トンネルを掘進中

 ――進捗中の事業路線の目的と概要、現況をお答えください

 樺澤 まず北海道縦貫自動車道の士別剣淵IC~名寄IC間があります。北海道縦貫自動車道は、函館市を起点とし、室蘭市、札幌市、士別市、名寄市等を経由して稚内市に至る延長約681kmの高速自動車国道です。士別剣淵~名寄は、高速ネットワークの拡充による道北圏と道央圏の連絡機能の強化を図り、地域間交流の活性化、物流の効率化等の支援を目的とした延長24.0kmの事業です。事業進捗率は約65%(H29.3末、予算ベース)で構造物比率は3%です。同事業は半分の12kmが抜本的見直し区間として凍結されていましたが、平成26年8月に解除され、工事が進んでいます。対面2車線で建設しています。

 主な構造物としては風連別川橋があります。橋長144mの2径間連続PCTラーメン橋です。



風連別川橋の進捗状況


 ――一般国道40号 音威子府バイパスは

 樺澤 音威子府バイパスは、天塩川沿いを走る現道の交通事故低減及び雪崩による特殊通行規制区間の解消による道路交通の定時性や安全性の向上を目的として中川郡音威子府村字音威子府~中川郡中川町字誉間に建設を進めている延長19.0kmのバイパス事業です。平成29年3月末の事業進捗率は約88%です。構造物比率は54%となっています。構造物は4つのトンネルを有します。最大の音中トンネルは4,686mの長大トンネルです。現在は約3,900mの掘進を完了しています。


 旭川十勝道路 北の峰トンネルが貫通 30年度に供用予定

  新富良野大橋(橋長619m)は今後上部工へ

 ――旭川十勝道路関連は

 樺澤 現在、北海道庁で旭川北ICから空港までの区間の事業を担当されており、当建設部では富良野方面のバイパス事業を行っています。

 まず、一般国道38号富良野道路は、富良野市街地を交わすバイパス事業で、富良野市字学田三区から字上五区に至る延長8.3kmの事業です。平成29年3月末の事業進捗率は約88%、構造物比率は40%です。平成30年度内に開通する予定です。一番大きいトンネルは北の峰トンネル(延長約3km、貫通済み)です。

 ――同じく、旭川十勝道路の一環である一般国道237号富良野北道路は

 樺澤 富良野北道路は、富良野道路と同様の目的で建設されている中富良野町字中富良野から富良野市字学田三区に至る延長5.7kmの事業です。平成29年度3月末の事業進捗率は約38%です。構造物比率は13%となっています。主な構造部は新富良野大橋があります。橋長619mの8径間連続PC箱桁橋で現在下部工が完了し、上部工に入っている状況です。




新富良野大橋の進捗状況


五稜道路は構造物比率42%

 台の下山トンネルが約2km、瑠辺蘂山トンネルが約3km

 ――一般国道452号五稜道路は

 樺澤 一般国道452号は、夕張市を起点とし、旭川市に至る延長約110kmの幹線道路ですが、一部に未通区間(磐の沢道路(札幌開発建設部所管)・五稜道路事業)があります。五稜道路は、その一次改築を行うための事業です。地域間交流の活性化及び物流効率化等の支援を目的とした、旭川市国有林旭川事業区から上川郡美瑛町字ルベシベに至る延長11.7kmの事業です。平成29年3月末の事業進捗率は約13%で、構造物比率は42%となっています。ここも構造物はトンネルが主となっており、台の下山トンネル(1,925m)、瑠辺蘂山トンネル(2,980m)、オイチャヌンペ大橋(オイチャヌンペ川渡河部、144m)などがあります。

 ――一般国道39号では比布(ぴっぷ)大橋を架替えるようですね

 樺澤 橋梁の老朽化及び経年的な凍害劣化に伴う重大な損傷を防止し、緊急輸送道路としての安全性・信頼性の確保を目的とした事業です。 同橋は石狩川渡河部へ1958年に建設された橋長298mのコンクリート橋で老朽化も進み、耐震性能も不足しています。同橋を架け替えるとともに前後の道路改良も行う延長1.4kmの事業です。平成29年3月末の事業進捗率は2%にとどまっています。今年度から下部工に入る予定です。上部工で橋長302.6mの4径間連続鋼箱桁です。


北の峰トンネルでウォータータイト構造を採用

 武徳1号橋はポータルラーメン

 ――特徴ある形式あるいは工法を適用している構造物を挙げてください

 樺澤 まず、旭川十勝道路富良野道路の北の峰トンネル(2,928m)が挙げられます。

 通常の山岳トンネルの構造では周辺の地下水をトンネル内に引き込み、トンネル内に設置される排水管により坑外に排水させるため、周辺の地下水位を低下させてしまいます。

 しかし、当該地区は地下水が豊富な地区であるため、特に対策が必要な550m区間に関しては、地下水環境の保全(完成後の地下水位の低下防止など)を目的とし、全周に防水シートを施工した非排水構造であるウォータータイト構造を採用しております。また、非排水構造であり水圧がトンネルに作用するため耐水圧構造である円形断面を採用しております。


アーチ防水シート/インバート防水シート


側壁コンクリートの打設/終点側インバートの打設


完成状況


 平成21年より掘削を開始し、平成28年度に覆工が完了しました。昨年度は防災設備等を設置し、平成30年度は舗装を行う予定です。

 ――同様に橋梁では

 樺澤 北海道縦貫自動車道 士別剣淵~名寄の武徳1号橋があります。

 同橋はポータルラーメン橋形式を採用しており、上部工と下部工が一体となっていることから、伸縮装置や落橋防止装置及び支承を省略することができます。

 また、この橋梁形式では継手からの漏水による桁端の腐食問題が解決され維持管理性の向上を図ることができます。

 本橋は、平成28年に下部工、29年度に上部工を施工しています。

 また、耐候性鋼材を高原大橋、エポキシ樹脂塗装鉄筋+表面含浸材を、15号橋、タヨロマ川橋、武徳1号橋、武徳3号橋で用いて、LCCの縮減に努めています。


武徳3号橋

 ――他、建設中の橋梁は

 樺澤 花園橋(国道237号)で上部工の一部(約110m)を架け替えする方針です。

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