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大阪湾岸道路西伸、神戸西バイパスの早期開通に期待、市管理道路の渋滞解消に傾注

神戸市 東西に長い市域の交通円滑化を図る

神戸市
建設局
前 道路部長(現 住宅都市局 計画部長)
林 泰三 氏

 神戸市は多様性に富む。南部の狭い平野には人口が密集し、須磨や舞子などの景勝や三宮・元町などの日本屈指の繁華街があり、北野のおしゃれな異人館街が町を彩り、さらに埋立地には工場が軒を並べる。北部には六甲山が聳え、さらに奥には有馬温泉がある。神戸市はしかし、阪神大震災では大きな被害を受けた。家屋は地震ついで火災によって甚大な損傷を蒙り、鉄道や商業施設、道路も大きな被害を生じた。それでもあれから20年余、着実に発展の歩みを進める神戸市の道路構造物の現況について林泰三道路部長(2018年3月末時点)に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)


大阪湾岸道路西伸部 渋滞解消や物流円滑化へ大きく期待

 無電柱化と道路のリデザインを推進

 ――行政はもちろん観光および商業の中心地である神戸市をより発展させていくために必要な、道路行政上の課題について教えてください。また、それを踏まえて道路網の現状(二次改良率、各地の道路建設の要請と必要性を具体的に)を教えてください

 林部長 神戸市は東西に長く、特に人口密集地は、海岸線の平地部に東西細長く展開しています。体系的に道路網を構築することが必要で、東西を結ぶ交通の円滑化、沿線の発展に資する道路ネットワークを早期に完成させることが重要です。

 その意味では、平成6年に六甲アイランドまで開通していた大阪湾岸道路ですが、その西伸部が平成28年度に事業化され、29年度に阪神高速道路の有料道路事業が導入されたことで、本格的に動き出したことは、非常に嬉しく思っています。阪神高速道路3号神戸線は国内ワーストの渋滞状況であり、その解消に大きな役割を果たす高速道路になるであろうと大きく期待しています。また、神戸港や神戸空港などの物流の円滑化などにも大きな効果があると考えています。

 また、先日新名神(高槻IC~神戸JCT)が開通しましたが、第二神明道路の延伸として、神戸西バイパスの新設が有料道路事業化(永井谷JCT~石ケ谷JCT間、事業主体:NEXCO西日本)されたことも大きな出来事です。

 神戸市の都市計画道路の総延長は796.26kmで、うち幹線道路は602.96kmです。整備済み総延長は691.53km(うち幹線道路は539.66km)に達しており、事業中区間は48.67km(同17.4km)となっています。

 ――神戸市ならではの景観的な取り組みはありますか

 林 無電柱化と、「道路のリデザイン」を進めています。既存の道路空間は人や車の通行機能だけに限定されていましたが、時代を先取りした形でリニューアルしたいという考えで進めています。

 ――具体的にはどのようなものですか

 林 人口減少、超高齢化社会が進展する中、神戸市においても市内総人口が2011年をピークに減少に転じています。将来的には自動車交通量の減少や社会情勢の変化を踏まえ、既存の道路空間の在り方について、転換を迫られています。リデザインはこうした課題に対応するためのもので、道路の利用環境や周辺土地利用状況などを分析し、車線が余っていれば、歩行者・自転車・自動車のバランスに応じた交通機能を最適化するなど、憩いや賑わい、景観、交通安全などの空間機能の向上を図り、街の雰囲気の向上や、市民生活の豊かさを感じられる道路空間に作り直そう、というものです。

 個別では葺合南54号線の整備があります。一方通行の車道幅員を狭めて歩行者の滞留する空間を作っています。また、まちなか拠点の整備、三宮駅近くの中央通りでは、KOBEパークレットの整備、案内サインやベンチ、手すりの配置などを行っています。



葺合南54号線の整備(神戸市提供、以下同)

 自転車を利用しやすい空間の整備は、環境にやさしく、観光上のツールになることや、市民の健康増進にも役立つことから、平成24年から計画を立てて取り組んでいます。


 ――無電柱化などの取り組みは

 林 電柱のない街並みは、景観上も美しく、防災面でも優れています。デザイン都市神戸として、また阪神淡路大震災を経験した神戸市として、電柱のない街づくりを目指しています。

 神戸市では、昭和61年度から平成28年度末までに、緊急輸送道路や景観・観光に配慮すべき箇所、震災復興のまちづくりなど面的に整備する箇所で約103kmの電線共同溝などの整備を行ってきています。しかし、さらなる整備には莫大な費用がかかるため、無電柱化を予定する路線の全ての整備には、まだ相当の時間を要します。

 その一方で、市民が無電柱化された街並みに触れる機会が多くなったことや、平成28年12月の無電柱化を推進する法律の制定もあり、細街路での無電柱化を求める市民の声も多くなってきています。神戸市および近隣都市においては、民間開発による細街路での無電柱化など、新たな無電柱化の整備形態が生まれています。一定の条件で整備された地中管路については、電線共同溝として神戸市が引き継ぎ管理するスキームを検討しています。今後、神戸市としては、緊急輸送道路の無電柱化を中心に整備を進めていく予定ですが、加えて、民間による無電柱化にも積極的に関与して、神戸市の道路全体の無電柱化を促進していきたいと考えています。


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