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インタビュー詳細

首都圏のネットワーク道路として重要な役割を担う

NEXCO東日本三郷管理 東京外環道 鋼床版の補修・補強施工を進める

東日本高速道路株式会社
関東支社
三郷管理事務所 所長
紫桃 孝一郎 氏

 東日本高速道路関東支社三郷管理事務所は、東京外環自動車道33.7km全線を管理している。外環道は関越道、東北道、常磐道を結ぶ首都圏のネットワーク道路として交通の要であり、交通量も飽和状態になっている。全線が高架もしくは半地下、トンネルという構造で、交通量が多い環境のなかで、鋼床版の補修補強の状況や剥落防止対策などの管理全般について紫桃孝一郎所長に聞いた。(大柴功治)


全線のほぼすべてが構造物で

 高架が約8割、半地下とトンネルが約2割

 ――管内の概要から

 紫桃所長 当事務所は、東京外環自動車道の大泉JCTから三郷南ICまでの33.7kmを管理しています。管理距離が100kmに及ぶ事務所が普通になっているなか、短い距離ですが、交通量が多く、ジャンクションも4箇所あります。首都圏のネットワーク道路として関越道、東北道、常磐道の各高速道を結び、交通の要所という点で重要性が高いと言えます。交通量は、断面交通量の一番多い場所で8~9万台/日、1日あたり取扱い交通量は約15万台(大型車混入率は約2割)で、しばらく前から飽和状態となっています。

 道路構造は市街地を通っているため、全線のうち約8割が高架で延長27.4km、半地下とトンネルが残りの6.3kmです。橋梁はランプ橋を除くと本線橋で49あり、橋種別比率は、延長比率で鋼橋が約4分の3(76.2%)、コンリート(PC)橋が約4分の1(23.8%)となっています。幸魂橋(橋長1,297.8m)の一部のみ斜張橋で、残りの鋼橋は鈑桁もしくは箱桁、PC橋はほぼ箱桁です。トンネルは短いボックスが全部で12本(チューブ)となっています。

 また、高架区間の真下には国道298号が通っており、4車線の重交通路線ですので、コンクリート剥落防止などの管理が重要です。

 供用開始は和光IC~三郷JCT間が平成4年度、大泉JCT~和光IC間が5年度末、三郷JCT~三郷南ICが17年度となっています。また、三郷南ICから東関道の高谷JCT間の15.4kmが現在工事中で今年度中に開通予定となっています。



東京外環自動車道概要図


激しい鋼床版の損傷

 23年度から亀裂補修とSFRC舗装を行う

 ――供用開始から25年が経過しています。橋梁全般の劣化傾向は

 紫桃 点検を行っていますが、鋼床版を除くと全体として損傷はそれほどありません。剥落の恐れのある箇所はその都度補修をしていますが、コンクリートの状態は悪くありません。鋼床版は疲労亀裂が発生していて、補修やSFRC補強を23年から開始しています。RC構造物の半地下部分は多少のひび割れはありますが、重大な損傷は出ていません。

 ――耐震補強の進捗状況はいかがでしょうか

 紫桃 外環道の供用開始が4年なので、昭和 55 年道路橋示方書の基準となります。7年の阪神・淡路大震災後にRC橋脚の一部補強を鋼板巻立などで行い、段落とし部などの補強はすでに完了しています。落橋防止装置や桁掛かり長は55年道示に沿っていますので大きな補強は必要ないという認識です。

 ただ、昨年の熊本地震を受けてのさらなる耐震補強はまだこれからで、現在精査をしています。背の高い支承が一部あるので、その耐震補強を含めて出てくる可能性はあります。

 ――鋼床版の損傷が発生しているとのことですが、上部工の補修・補強はどのように行っていますか

 紫桃 23年度から幸魂橋で鋼床版き裂の補修を行い、24年度にその上にSFRC舗装の施工を行っています。25年度には幸魂橋の別区間でき裂補修、26年度にSFRC舗装を実施しています。28年度から幸魂橋の一部と東北線跨線橋の鋼床版部(延長125.9m)でき裂補修を開始して、今年度に同じ箇所でSFRC舗装の施工を行います。※1

※1 今年度、橋梁リニューアル工事として昼夜連続して車線規制を行い、SFRC舗装の施工を実施。5月29日10時から31日6時までが東北線跨線橋外回り、6月5日10時から7日6時までが東北線跨線橋内回り、6月12日10時から14日20時までが幸魂橋外回りとなる。東北線跨線橋の外回りと内回りは鋼床版部各1連が対象で、幸魂橋外回りは和光北IC寄りの1連が対象となる。幸魂橋外回りの残りの連は昨年度までで補強工事が完了しているので、今年度の工事ですべての連が完了となる。元請はエコワーク、協力会社は鹿島道路。



幸魂橋




幸魂橋での鋼床版補修・補強工事


 ――ほかの橋梁での補修状況は

 紫桃 鋼床版の橋梁は本線で8橋(24連)となりますが、損傷の激しい橋梁から補修と補強を行っています。今後、ほかの橋梁についても順次施工の予定です。

 ――ほかの橋梁でもSFRC舗装を採用していく方針でしょうか

 紫桃 鋼床版の上はコンクリート系の剛性の高いもので補強することが標準的な鋼床版対策だと考えています。現時点では、残りの橋梁でもSFRCを予定していますが、鋼繊維ではなく複数の有機繊維を混入したハイブリッド型(HFRC)を採用する事業者さんも出てきていますので、そのようなものが一般的になってくれば、交通規制をできるだけ短くする観点からも検討をしていきます。


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