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インタビュー詳細

軟弱地盤の泥炭層、土被りが薄くpHが低いトンネル

NEXCO東日本の技術を結集し難工事に挑む

東日本高速道路株式会社
東北支社 
山形工事事務所長

安川 義行 氏

 福島と山形を結ぶ道路としては、かつて明治初期に初代山形県令である三島通庸が整備した萬世大路が名高い。中世以来の羽州街道とは別に、栗子山峠にトンネル(隧道)を配置し、山形と福島を結ぶ新しい道は、山形県の産業振興と経済発展に大きく寄与した。現在、その役割は国道13号が担っているが、さらに高速で人・物を輸送する道路として東北中央自動車道の供用が期待されている。東北中央自動車道の区間および総延長は福島県相馬市~秋田県横手市間の約264㌔だが、山形上山IC~南陽高畠IC間24.4㌔は白竜湖付近を中心に地盤条件が悪く、難工事が予想される。その事業を担当するNEXCO東日本東北支社山形工事事務所の安川義行所長に設計上の留意点、施工上の課題とその対策を聞いた。(井手迫瑞樹)


                              事業区間


平成30年度の供用目指す

27年度中に全線工事発注へ

 ――所管事業の概要と現況についてお答えください

 安川所長 当事務所は、東北中央自動車道南陽高畠IC~山形上山IC間の24.4㌔の建設工事と天童IC~東根IC間1.7㌔の付加車線の設置(2車線分拡幅)および新直轄事業区間と接続する米沢北ICの舗装施工と東根ICのフル化を担当しています。前者は平成30年度、後者は29年度の供用を目標としています。

 平成17年度に事業認可され、21年度から用地取得を始めています。現在は、用地取得は面積比で98%、工事着手率も延長比で78%に達しており、平成27年度中に全線工事発注・現場着手を完了する方針です。

――構造物比率は

 安川 土工部が13.7㌔(55%)、橋梁が1.4㌔(5%)、トンネルが9.3㌔(40%)となっております。起点側から高畠町で13号(米沢南陽道路)と113号に接続(南陽高畠IC)します。高畠町と南陽市の水田地帯を通過後、南陽市の山地を通過し、供用中の山形上山ICに接続します。水田や山岳地帯を通過することから、土工とトンネル構造が多くなっています。

 構造物は橋梁が本線14橋中6橋で着手しており、そのうち2橋は上部工まで完了しています。また、トンネルは7カ所中5カ所を発注済みです。


                     事業中の橋梁一覧


               事業中のトンネル一覧

――管内は軟弱地盤が多いと聞きますがその地盤的特質と対応策は

 安川 軟弱地盤である南陽高畠IC~白竜湖地区の地層概要は図のような状態です。


                         地層概要

 

 紫色がいわゆる泥炭層であり、黄色が砂層、水色系が粘土層ということで、この区間の道路構造は、橋梁形式にするか盛土形式にするかかなり議論されました。山形上山IC寄りの終点部分に暫定施工の赤湯トンネルがありその先も暫定施工区間であることから、盛土形式とした場合、高盛土となり将来の舗装オーバーレイ施工時の片側通行規制がこのトンネルを含めることになること、赤湯トンネル取り付け部付近(白竜湖付近)には深いながらも支持層(凝灰岩)の存在がボーリング調査の結果により判明したことから、白竜湖付近約600㍍については橋梁(白竜大橋)形式を採用しました。それ以外の箇所は100㍍以上ボーリングをしても支持層が出てきませんでした。そのため、支持層が確認できない延長約2㌔は低盛土形式により計画しています。