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現場を巡る詳細

フライアッシュ混入コンクリートを採用

NEXCO中日本 北陸道・日野川橋の床版取替現場を公開

 中日本高速道路金沢支社は10月17日、北陸道日野川橋(下り線)の床版取替工事現場を記者団に公開した。同橋は北陸道今庄IC~武生IC間の日野川橋渡河部に1977年12月に供用された橋長300㍍、有効幅員9.75㍍の鋼2+3+3径間連続非合成鈑桁橋。今回はそのうちのP2~P5(113.2㍍)の鋼3径間連続非合成鈑桁部の床版、約1,300平方㍍を新しいプレキャストPC床版取り替えるもの。合わせて伸縮装置の交換、鋼桁の塗り替え、検査路の取り換えも行う現場ルポを報告する(井手迫瑞樹)


供用時は床版防水を未設置

 99年の床版増厚の際に防水工を設置

 損傷状況

 同橋は1977年12月の供用時(床版厚220㍉)に床版防水を設置しておらず、99年に行った床版増厚(鉄筋裏10㍉を含む50㍉をはつり40㍉増厚)の際に初めて防水工(現在のGⅠ相当)を施工した。床版下面にはコンクリートの浮きや剥離が生じており、上面も08年に路面を切削したところ、局部的な浮きや剥離が生じていた。一部では増厚界面の層間剥離も確認されている。また、凍結防止剤を含む漏水の影響により、主桁や対傾構にも錆が発生している。こうした損傷状況から床版及び排水溝の取替、ジョイントの交換(止水化)、鋼桁の再塗装を行うものだ。工期は16年2月23日から17年7月16日までの510日間。契約金額は5億8,320万円(税込)。


P2側からP5側へ片押し施工 1夜間に8枚パネルを設置

 斜角のきつい端部は現場打ちでRC床版を施工 

 床版の取替は、10月12日~10月31日までの間、下り線を全面通行止めし、上り線を615㍍長対面通行に規制した上で施工した。交差路線として国道365号があり、足場は簡易かつ手早く組み立て可能なスパイダーパネルを採用している。


足場にはスパイダーパネルを使用した

 施工は200㌧トラッククレーンを用いてP2側からP5側へ片押しする手順で施工する。1日当たり昼間に16枚(1枚当たり橋軸方向2㍍×橋軸直角方向5.6㍍、重さ約6㌧)の既設床版をダイヤモンドカッターやワイヤーソーで切断し、ジャッキで主桁との縁を切り、クレーンを用いて撤去する。次いで夜間に2×10.9㍍のパネル(厚さ240㍉、重さ11.6㌧)を8枚設置するという工程を繰り返していく。同橋は60°の斜角を有するが、パネル(50枚)は直行に配置し、両端部に残った斜角のきつい部分(P2側:幅10.9㍍×長さ2.71~10.288㍍=面積71平方㍍、P5側:幅10.9㍍×長さ2.705~9.011㍍=面積64平方㍍)はRC床版を現場打ち(厚さ291㍉)施工することで対応する。現場打ち部については、まずP2側から施工し、問題点を洗い出してP5側の施工に反映する。こうした手法を用いることで手戻りなどを極力排するとともに、工種のラップをなくすることで、安全性の確保にも努めている。


日野川橋床版取替一般図


アスファルト切削/削孔


既設床版の切断工


ワイヤーソー/伸縮装置の撤去


 こうした橋梁の床版取替は中国道菅野川橋や本橋とほぼ同時に行われている北陸道早月川橋のように、斜角パネルを利用して場所打ち床版の数量を極力少なくする方策を採ることが多い。そうすることで工程短縮の面でも有利となる。しかし日野川橋の床版取替では、「斜角パネルとした場合、PC鋼材配置方向(プレストレス作用方向)と床版支間方向(鋼桁直角方向)が異なるため、橋面および活荷重に対する検討を行った結果、床版支間方向のプレストレス有効成分を考慮する必要があり、必要PC鋼材量が増加してしまう。一方で既設床版厚との関係からPCaPC床版の厚さは最大240㍉とする制約があるため、断面内に必要本数を配置できないと判断した。その上で元請けからの提案もあり、直角パネルを使うことに合意した」(山田稔・中日本高速道路金沢支社保全・サービス事業部 更新チーム チームリーダー)としている。