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陸上高架も桁架設がたけなわ

仙台河川国道 気仙沼湾横断橋(仮称)の主塔部が架設を開始

斜張橋部(朝日地区) 主塔鋼重は1,300tを超える
 750t吊クローラークレーンで29ブロックを架設

 記者が取材した主塔施工中の現場は、陸上高架と接続する側(A1側)の朝日地区上部工工事だ。同現場の工事範囲は別表の通りで、主塔高さは100m、アンカーフレームを含めた主塔鋼重は1,300tを超える。陸上の主塔は1ブロックごと現場で水切りし、自走多軸台車に積み替えて、主塔架設個所近傍まで運搬し、さらに750t吊クローラークレーンで合計29ブロックを1ブロックずつ架設していく。


主塔の架設(2018年10月末、井手迫瑞樹撮影)

主塔の架設(2018年11月28日、仙台河川国道事務所提供)

 1ブロック当たりの架設重量は最高で85tに達する。板厚は最厚で44㎜を有する。これを4000分の1の鉛直誤差で架設していく。仮止め時はパイロットホールを内側につけており、ずれが生じないように位置調整する。継手は塩害を考慮してJ1(ジョイント1、根元部)以外すべて全周溶接とした。溶接誤差は2㎜と非常に厳しい精度を要求している。


主塔部詳細図(JFE・IHI・日ファブJV提供)

 その後の塩害対策も考慮して、主塔の防食は基本的にフッ素樹脂塗料を用いた重防食塗装を採用しているが、基部と隅角部と最上部2.3mについてはさらに溶射も施す予定だ(主桁についてもP10とP11支点部について同様の防食を施す予定)。

 主塔の架設は2019年2月末、溶接は3月末、塗装は5月末の完了をそれぞれ予定している。その後、斜ベントや斜吊による主桁(3021.4t、23ブロック)架設を進めていく。

 設計は大日本コンサルタント。朝日地区上部工の施工はJFE・IHI・日ファブJV。一次下請は金子建設(架設)、エンジニアリングナカヒラ(溶接)、大矢運送(クレーン)、宇徳(自走多軸台車)など。

陸上高架部(P3~P10)は鋼重2950t強
 P3~P5間を送り出し架設 溶接施工用の建屋を新たに作る

 陸上高架部は川口地区上部工工事現場を取材した。同現場は、朝日地区と隣接する陸上高架部P3~P10間橋長473.5m(鋼重2954.477t)の架設を進めている。上部工形式は鋼7径間連続鋼3室箱桁橋で、支間割は下図の通り。P3~P5間を送り出しにより、P5~P10間をトラッククレーン+ベント工法によりそれぞれ架設していく。


川口地区陸上高架部(2018年10月末、井手迫瑞樹撮影)


川口地区架設予定詳細(横河ブリッジ提供)
 まず先行してP5~P9間を架設していく。1径間当たりのブロック数は7ブロック。これを500t吊クローラークレーンによって単ブロック(鋼重は平均50t)ずつ吊り上げ架設した後に、その上で桁を地組し、P4~P5ついでP3~P4間の主桁を2~3回に分けて送り出し架設する。

トラッククレーン+ベント架設(仙台河川国道事務所提供)

 特徴は、桁架設現場の近傍にある建屋だ。この巨大な建屋は桁の溶接作業をより正確かつ効率よく施工するため作ったもの。同現場の主桁は大半が溶接であるものの、上フランジとしたフランジの橋軸方向のみ溶接を採用している。板厚は中間部で最小厚12mm程度だが、支点部では最大52mmに達する。桁もバチ状になっており主塔に向かって広がっていくという特殊な形状を有している。現場は海に近く、風も強いため従来のような風防設備では稼働日数が限られる。また、飛来塩分による発錆も懸念されることから、最終的に溶接施工の用の建屋を作り、その中で作業を行い、作業効率向上と施工環境改善による溶接の高品質化を両立させた。


溶接施工用建屋内での施工(井手迫瑞樹撮影)

 一次下請はミック(架設)、伊東工業所(溶接)、非破壊検査はエム・キュービック


川口地区上部工全景(仙台河川国道事務所提供)
(2018年、12月7日掲載)