HOME現場を巡る一覧ヤマダインフラテクノス 低騒音、コンパクトかつ全ての後方設備を車載したブラスト工法を現場投入

現場を巡る詳細

騒音は85dBから60dBに抑制 車載で施工時の仮置、退出がスムーズ

ヤマダインフラテクノス 低騒音、コンパクトかつ全ての後方設備を車載したブラスト工法を現場投入

 ヤマダインフラテクノスは、施工ヤードが狭隘で周辺環境への配慮が必要となる都市内で循環式エコクリーンブラスト工法が使用できるようブラストに必要な全ての後方設備(コンプレッサー、発動発電機、循環機構等)をコンパクト化して4tトラック上に全て搭載し、さらにトラックから3m離れた場所の騒音を60dB以下まで抑制する騒音対策を採用して、都心の鋼橋塗装塗替え工事に実地投入した。

 循環式エコクリーンブラスト工法は既に毎年10~12万㎡ほどの実績を有する塗膜除去・素地調整1種工法である。使用した研削材を塗膜除去の際に発生する廃棄物と分離・再利用することで廃棄物量を従来ブラストの40分の1程度まで減量することができることが特徴だ。しかし、都市内の鋼橋に本工法を採用するには、ブラストの後方設備を設置するヤードの確保が必要なことと、後方設備から発する大きな騒音の対策が必要となっていた。


 そのため、同社ではすべての機材をコンパクト化して4tトラックに車載することで、施工する時間帯だけトラックを仮置きし、施工終了後はスムーズに退出できるようにした。また、トラックの荷台を内面に厚さ5cmのウレタン製吸音材を貼り付けたポリカーボネート製遮音板で囲い込むことにより、騒音を85dB程度から60dB以下に抑制することに成功した。

後方設備は4tトラックに車載。機械上面含め周囲を遮音板で囲い込んでいる

内部状況 ポリカーボネート板の内側にはウレタン製吸音材を貼り付けていることが分かる


 1960~70年代に建設された鋼橋にはPCBや鉛など人体に有害な物質含んだ塗料が使用された。とりわけその大半が鉛で構成された鉛丹さび止めペイントは、鉛丹どうしの層間もしくはウォッシュプライマーとの層間で板状に剥離し、落下することがある。鉛丹さび止めペイントは有機成分が非常に少ないため、樹脂を弱体化させる塗膜剥離剤やIH工法では除去が困難なことから、「塗膜を除去するにはブラストが必要」(関係者)だ。


 関係者によると、厚労省の鉛則第40条の1では「著しく困難な場合を除き、湿式によること」とされているが、厚労省の担当者によると、著しく困難な場合とはブラストなど塗布面を湿らせることで、錆の発生が生じる場合を想定しているとのこと。もともとブラストの使用にあたってはエアラインマスクや防護服の使用が法令で義務付けられており、作業者の安全確保は万全だ。本工法を採用するにあたっては、鉛則に基づいた考え方と施工方法、安全対策共に、所轄の労働基準監督署より承認を頂いた上で作業を実施した。廃棄物量を減量し、鉛等有害物質含有塗膜と錆びを完全に除去して塗装に最も適するアンカーパターンを形成する循環式エコクリーンブラスト工法が施工環境の厳しい都市内でも使用できるようになり、今後も採用は増えていきそうだ。(2018年10月12日掲載、井手迫瑞樹)