ハンドガン施工時の負担や事故の発生を軽減
ケミカル工事 WJ用ハンドガンアシストアームを開発
ケミカル工事は、WJのハンドガン施工の際の負担や安全性を考慮したアシストアームを用いたWJ工法用装置の誤作動やハンドガンの作業員の過失などによって多発するハンドガンの事故防止策として開発した、ハンドガンアシストアームを用いたWJ試験施工を実橋で行った。
水平、垂直方向に作業員の手動により、取り付けたハンドガンを任意の位置に動かせる
現場での設置状況
人間の腕に模した鋼製のハンドガン固定装置(アシストアーム)(本体重量約25㎏、下表仕様詳細)に、ハンドガンを固定し、水平、垂直方向に作業員の手動により、取り付けたハンドガンを任意の位置に動かし、コンクリートの斫りや表面処理を行うことができる。
特徴は反力低減とシステムロックにより、安全性を確保しつつ施工できる点だ。通常ハンドガンの施工は作業員による高圧水を噴射した時の反力を保持しているが、ハンドガンアシストアームは、アシストアームに固定して作業するため、反力を大きく軽減することができる。
また、WJの作業はハンドガンを所定の位置に動かした後、アームの稼働をロックしていないとハンドガンのトリガーを握っても高圧水が噴射されないシステムになっており、万が一アームロックを忘れた状態でトリガーを操作しても事故は生じない。
施工状況
ハンドガンアシストアームの水平移動距離は、最大1,500mm、垂直移動距離は最大1,300mmの仕様になっている。同移動範囲から外れた箇所で施工する際は、改めてアシストアームを固定し直す必要があり、その移動距離などをより広く取ることができれば、施工効率の向上が見込めそうだ。
尤も「作業効率が多少下がっても、事故から作業員を守り、より安全と安心な施工を追求していく中で、良いシステムで安全を提供する」(同社)ことが主目的である。使用した現場でもハンドガンを実際に扱う作業者は、「施工時の反力がほぼなく安全かつ体への負担もなく施工できる」と話している。
同社では、より多くの現場で使用し、作業者や現場担当者の意見を確認して改善に努め、将来的には完全なロボット化も視野に改良を進めていく方針だ。