道路構造物ジャーナルNET

半透明なシリコーンで防食と視認性を両立

ビービーエム 維持管理性に優れた防錆ボルトキャップ『BBCAP』を開発

公開日:2023.09.13

 ビービーエムは、橋梁支承などの高力ボルトの防食用途に半透明なシリコーンで内部を可視化できる防錆ボルトキャップ『BBCAP』を開発した。複合サイクル試験(JIS K 5600-7-9 サイクルD 10,000時間)および沖縄県離島でに暴露試験も行っている。前者では通常の溶融亜鉛めっき防食ボルトの場合、発錆が確認されたものの、BBCAPを施工していた同ボルトでは、発錆は確認されなかった。また、後者では1年経過した段階で溶融亜鉛めっき防食ボルトのみの防食では劣化が確認されたものの、BBCAPを施工していた同ボルトでは劣化は見受けられなかった。両実験とも防錆効果だけでなく、白化や黄化などの視認性を阻害する変化もなかったことが確認されている。(井手迫瑞樹)


複合サイクル試験


BBCAP

塩水・温度依存性、耐紫外線劣化性に対する耐候性を向上
 防錆効果および透明性の持続期間を長期化

 BBCAPは元々、同社の支承の「付加価値向上を目的に開発した」(小泉部長)防錆ボルトキャップである。「従来の防食手法では塩害が厳しい地域において数年で花が開くように錆が生じる事例もあり、これを何とかしたかった」(同)。シリコーンによる防錆効果はもちろん、半透明のため中が透けて見えることで、点検性も向上していることが特徴だ。従来も透明なボルトキャップはあったが、「シリコーンを使うことで塩水・温度依存性、耐紫外線劣化性に対する耐候性を向上させ、防錆効果および透明性の持続期間を長期化していることが特徴」(同)だ。支承に使うために使われたが、径サイズには拘束されない仕様(後述)のため、鋼構造物のあらゆる用途のボルトに使用できる。


支承の付加価値を高めたかった

施工時間は1個につき3分程度
 ボルト径のサイズに左右されず使える

 施工はまず、ボルト表面を清掃する。次いでBBCAPを施工する。BBCAPは最初からキャップ状になっているのではなく、花形の形状の両面に剥離フィルムを付けている状態になっておる、性状的に半ゼリー状となっている。これをまず片面のフィルムを外してボルト中央に合わせるように貼り付ける。貼り付ける際は空気が残らないように外に向けて貼り付けていく。上面・側面共に貼り付け終えた後は、外側のフィルムを剥がし、アルコールを内側に吹き付けたインサートカップを上から被せ、さらに楔状のアウターカップをその上から被せて、そのまま押し込む。そうすることで密着性を担保する。押し込んだ後は、少し材料がはみ出すため、それを除去し、完成となる。インサート及びアウターカップ施工後は、ボルトの頂点に突起が出来るようになっており、それがあるか否かで所定の工程を施工したかという確認が行える。
 施工時間は「なれれば1個につき3分程度」で、最初からキャップ状ではないため、ボルト径のサイズは小径~大径までどのような用途でも対応できる。但し人力施工のため、あまりにも大きな径の場合は工夫が必要だ。


施工手順

 同社では今後、自社製品の支承を出荷する際には工場で予め設置することを提案していく。さらに現地施工のボルト防食においても積極的に提案していく方針で、今年晩秋には、沖縄県の新設橋梁で初現場適用がなされる予定だ。

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム