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大日本塗料 事前の攪拌・希釈作業が不要

錆面へ手軽に防錆処理ができる『サビシャットスプレー』を販売開始

公開日:2023.04.11

 大日本塗料は、錆面へ手軽にスプレー塗布するだけで防錆処理可能な『サビシャットスプレー』の発売を開始した。4種ケレン程度の簡単な素地調整を施すだけで塗装でき、高レベルな下地形成が可能な、大日本塗料のロングセラー商品である塗布形素地調整軽減剤『サビシャット』の技術を応用している。錆面にも防錆効果を発揮するため、素地調整が困難で錆が残存するようなコンクリート露出鉄筋部等に最適だ。橋梁・プラント、電力鉄塔など社会インフラ分野をはじめとした構造物の施主や土木コンサルタント、保守点検業者を主な需要家と見据え、半年後迄に3,000本の販売を目指す。

一般的な補修スプレーでは錆面に適用できない

 橋梁やプラント、電力鉄塔といった社会インフラをはじめとする構造物は、長寿命化のため定期に保守点検を行い、劣化部分を補修する必要がある。
 点検時の補修には補修スプレーが多く用いられるが、一般的な簡易補修用スプレーを錆面に塗装すると、鋼材面に残存する錆によって早期に再発錆することから、錆面には適していない。特にコンクリート露出鉄筋部に錆が確認されると、錆面からの腐食進行を防ぐため防錆処理が必要となるが、コンクリート露出鉄筋部の凹凸面や狭小な個所などは素地調整が困難なケースが多く、残存した錆によりコンクリートの割れや欠落を引き起こしてしまう。
 この課題を克服し、錆面への簡易補修を可能にしたのがサビシャットスプレーだ。 

 錆面への防食性能は一般的な補修スプレー剤に比べて大きくすぐれている。錆が発生した鋼板にサビシャットスプレーと一般的な補修スプレー(他社品)をそれぞれスプレーし、複合サイクル試験により120サイクル(30日間)経過を観察した結果、一般的な補修スプレーは、錆や膨れが著しく発錆したのに対し、サビシャットスプレーは変状が見られなかった。こうした結果から、鋼材表面に残存する錆面があっても適切な防錆効果を発揮することが確認できた。


複合サイクル試験比較/コンクリート露出鉄筋部

 この錆面への防錆効果は、大日本塗料の従来品である塗布形素地調整軽減剤『サビシャット』の技術を応用している。従来のサビシャットは、清掃ケレン程度の簡便な前処理の後に塗布するだけで、2種ケレン相当の防錆性を確保しつつ、素地調整にかかる労力やコスト等を削減出来る素地調整軽減剤だ。錆層への浸透性・脆弱層の強化に優れており、配合された湿気硬化形樹脂が錆層中の水分を除去、さらに錆層中の腐食性イオンを無害化する。
『サビシャットスプレー』はこれらの性能を保持したまま、さらに施工性を高めた改良版といえる。

サビシャットのメカニズム

塗料をグレーに着色し、補修個所を容易に確認可能
 専門性不要でスプレーを吹き付けるだけで施工できる

 今回開発した『サビシャットスプレー』は、従来のサビシャットで必要であった塗料の攪拌・希釈が不要だ。最初に下記の一連の作業がいるが専門性は要らず、その後はスプレーを吹き付けるだけで従来のサビシャットと同様の防錆性能が期待できる。

スプレーを吹き付けるだけで従来のサビシャットと同様の防錆性能が期待できる

 さらに従来のサビシャットは無色透明に近い乳褐色であったため、補修が目視で確認しづらいという課題があったが、『サビシャットスプレー』は塗料をグレーに着色しているため、補修個所を容易に確認でき、その後の本格的な補修作業時にも錆面の存在を認識することが可能になる。


グレーの塗料を使っているため視認性が高い

『サビシャットスプレー』の積算価格は1本6,500円。これを6本1セットとして販売する。問い合わせは同社構造物塗料事業部マーケティンググループ 電話03-5710-4502 まで。

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