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表面美観性の低下を抑制するため、防カビ性能を付与

太平洋マテリアル コンクリート構造物向け高機能養生剤「クリーンセイバー」を開発

公開日:2023.03.27

 太平洋マテリアルは、コンクリート構造物施工の省力化・生産性向上に繋がる商品として、高機能養生剤「クリーンセイバー」を開発した。

 コンクリート構造物は、所要の強度、ひび割れ抵抗性、劣化に対する抵抗性、表面美観性などの品質を確保する必要がある。それらの品質を確保するためには、養生に十分な水が供給される、もしくは水分の逸散を抑制することが必要であるが、部材の種類や施工条件・環境条件などによってはそれが難しい場合がある。このような場合には、塗布型の高機能養生剤「クリーンセイバー」を選定することで適切な養生が可能となり省力化・生産性向上に繋がる。


クリーンセイバー荷姿

浸透性および親水性を高め、作業性を向上しつつ養生効果を発揮
 塗布量は、150g/m2を基本

 クリーンセイバーは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを主成分とした浸透性の養生剤であり、浸透性および親水性を高めることで、作業性を向上しつつ養生効果を発揮し易くなるようにしている。また、表面美観性の低下を抑制するため、防カビ性能を付与している。

 クリーンセイバーの塗布量は、150g/m2を基本とする。
 同量を塗布した場合の圧縮強度は、気中養生した場合と比べ、120~130%程度となり(図1)、材齢182日における乾燥収縮ひずみは、無処理よりも7%程度小さくなる(図2)。


クリーンセイバーの塗布状況


図1 圧縮強度/図2 長さ変化

 さらに、質量変化率は、無処理よりも大幅に抑制する効果が認められる(図3)。


図3 質量変化率

グレーディングも「劣」判定から「一般」判定に性能アップ

 耐久性も向上する。表面透気係数は気中養生と比べて小さくなり、グレーディングも「劣」判定から「一般」判定に性能アップすることが可能となる。(図4)、透水量に関して、無処理の場合は材齢の経過に伴い増加するのに対し、クリーンセイバーを塗布することにより材齢の経過に伴う増加を大幅に抑制する効果がある(図5)。また、クリーンセイバーを塗布することにより、表層からのCO2などの劣化因子の浸透を抑制することができ、耐久性の向上が期待できる(図6、写真1)。これらの効果は、クリーンセイバーを塗布することにより、水分逸散を抑制することで養生効果が発揮されたことによるものとみなされる。


図4 表面透気係数/図5 透水量

図6 中性化/写真1 中性化深さの測定状況

 また、クリーンセイバーを塗布することにより、表面美観性の低下を予防することが期待できる。モルタル試験体にクリーンセイバーを塗布し、カビ抵抗性試験(JIS Z 2911)を実施した結果、無処理はカビの発生(白色部)が確認されるが、クリーンセイバーを塗布した場合は、通常14日の試験期間に対し、28日間実施してもカビの発生は確認されていない(表1)。

表1 カビ抵抗性

 同社では橋梁などコンクリート構造物分野へ積極的に展開していく方針だ。

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