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人力で設置場所への移動が可能

日建リース工業 鋼製仮設防護柵「バルカンバリア」のレンタル開始

公開日:2021.08.25

連結は専用の連結杭を差し込み、約1分で完了
 仮置き状態から12基(約50m)を約10分で設置

 日建リース工業は、高速道路などの道路上の工事に用いる鋼製仮設防護柵「バルカンバリア」のレンタルを開始した。同製品1基は長さ4,115mm×高さ814mm×幅560mmで、重量は463kg。コンクリート製同種製品の約17%の重量であるうえ、本体下部にはキャスターが格納されているため、人力で移動が可能だ。移動は作業員1人でもできるが、同社では路面に勾配や不陸がある場合の安全性と施工性を考えると2人で行うのが適当としている。


バルカンバリア本体

本体上部両端に設けられたハンドルを回し、キャスターが下降することで本体が持ち上がり、人力移動が可能になる

 バルカンバリアの連結は、専用留め金具を製品小口側に取り付け、専用の連結杭を製品間に差し込むだけなので1分程度で完了し、施工区間や規制距離に合わせた連続設置が短時間でできる。「ユニック車から荷下ろした仮置き状態から、作業員3人で12基(約50m)を約10分で設置した実績がある」(同社)。さらに、その取扱い易さから設置後の平行移動も容易で、短時間での規制切替えにも対応できる。


(左写真)製品小口側/(中央写真)専用留め金具を装着した状態/(右写真)専用連結杭を差し込んだ状態

連結部

 専用留め金具は道路軸方向のブレを防ぐためのもので、装着をしなければ最大6°まで曲げて連結できるので、道路線形にも対応する。また、専用留め金具を装着している状態であれば連続10基まで、普通車両(2tトラックやライトバンなど)を使用しての牽引移動が可能となっている。

アンカー固定で日本の防護柵設置基準のA種相当を確保
 NEXCO中日本の橋梁壁高欄補修工事では車両転落防止柵として活用

 性能は、アメリカの連邦道路管理局(FHWA)からアメリカ交通省の国家科学学会が定めた自動車衝突試験方法(NCHRP350)TL-3、TL-4による評価基準を満たしていることが認証されていて、アンカーを用いて固定することで、日本の防護柵設置基準のA種相当を確保している。
 採用事例では、NEXCO中日本の北陸自動車道 長浜IC~木之本IC間(上り線)橋梁補修工事(施工:ピーエス三菱)があり、壁高欄撤去にともなう走行車両の転落防止柵として活用されている。


NEXCO中日本 北陸道・長浜IC~木之本IC間(上り線)橋梁補修工事での採用事例

 同社では、「規制切替えを頻繁に行わなければならない工事や、開閉を行う必要がある工事用車両出入口への設置などで、とくに優位性があると考えている。すぐ横を車が走行している危険と隣り合わせの現場で働いている作業員のより一層の安全確保を実現するとともに、作業効率があがる仮設資材として普及を図っていきたい」としている。

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