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柔軟性に優れ、湾曲した施工面にも対応 導水材としても使用可能

アオイ化学工業 構造物側面用水切り材「ウォーターカッター(側面用)」を販売

公開日:2021.08.10

 アオイ化学工業は、中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋と共同開発した構造物側面用水切り材「ウォーターカッター(側面用)」の販売を行っている。本製品は、構造物の側面や裏面などに後付けで接着剤により貼り付けることで、構造物の壁面や底面の雨水を防ぎ、水による構造物の劣化を抑制するものだ。


設置箇所イメージ

構造物側面へのウォーターカッター(側面用)の設置状況

1本あたりの重量は50g 業界最軽量を実現
 専用接着剤で接着面に貼り付ければ施工完了

「ウォーターカッター(側面用)」(本体)1本あたりの長さは1mで、重量50gと従来品(80g)と比較しても軽量で、業界最軽量を実現した。素材は、窓のサッシまわりのパッキンなどにも使用されている耐久・耐候性に優れる「EPDM(エチレンプロピレンジエン)ゴム」をスポンジ状にしたものを用いており、柔軟性があるものとなっている。そのため、貼り付け面の不陸に追従し、施工後の浮きが発生しにくくなっているとともに、湾曲した施工面にも対応できる。さらに、カッターナイフで容易に切断加工も可能である。
 施工は、製品セットに同梱されている1液型エポキシ樹脂系の専用接着剤で貼り付けるだけという簡単なものだ。まず、下地処理を行うが、下地面の凹凸が大きく、貼り付け後に接着面に隙間が生じる場合は水みちとなるので、事前に不陸調整も行う。次に、同梱の取付台を組立て、本体の接着面に接着剤を塗布。取付台と一緒に本体を持ち上げて、設置位置に押し当てれば貼り付けが完了する。


(左写真)接着剤を塗布後、ヘラなどを用いて均一となるように接着面全体に接着剤を広げる
(中写真)設置位置に押し当てて貼り付ける (左写真)貼り付け後の断面

 接着剤の硬化時間は24時間であるが、本体が軽量なため、貼り付け直後から剥がれることはない。同社が行った付着性能試験では、製品自重(50g/m)に対して、引張方向で3,260倍、せん断方向で製品自重の2,680倍という十分な付着力を有している結果が得られている。耐候性についても、キセノンランプによる200時間の照射(光のみ51分、散水と水9分の合計60分を1サイクル)を行った促進耐候試験で、試験後に本体のひび割れ・膨れ・溶解、ヒレの変形などの異常は認められず、接着剤の剥がれ、本体の落下もなかった。

導水材としても使用可能

 製品の貼り付け方法によって、水切り材だけでなく、導水材として使用できることも特徴となっている。標準的な貼り付け方法では、製品上面に伝い水を這わせて構造物から離して先端から水を落下させることで「水切り」として機能する。また、製品の上下を逆さにして壁面に勾配を付けて貼り付けることにより、樋のような形を形成し、伝い水を本体部材が受け、勾配下方に水が流れる導水材として機能するので、水濡れを防ぎたい局所から水を引き離して下方に排水することができる。

 同社では、「従来品(ウォーターカッター)は構造物の底面しか対応できなかった。側面が損傷している事例も多いことから本製品を開発した。雨水が直接あたらない高架橋の中央分離帯側の側面などにも有効であるので、本製品で構造物の劣化抑制に貢献していきたい」としている。
 本製品のセット内容は、本体(W35×H20×1,000mm)20本、専用接着剤(エポポンド1CH/320mLカートリッジ)3本、取付台2組となっている。

設置事例

【水切り向き】(左写真)橋台側面に取り付け/(右写真)桁側面に取り付け(劣化部を保護)

【導水向き】PC鋼材の定着具上に取り付け(突起した構造部を保護)

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