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連続施工が可能で施工性を30%向上

第一カッター興業 ワイヤーソー作業での無電源・無配線追従プーリーシステムを開発

 第一カッター興業は、ワイヤーソー作業における切削作業の施工性と安全性を向上する「追従式プーリーユニット」を開発した。切断方向の調整を行うガイドプーリー(補助滑車)をワイヤーソーの張力に応じてユニット化したレール上を自動的に追従させることで、連続施工を可能にして施工性を従来よりも30%向上させた。

 これまでガイドプーリーがレール上で電動駆動され、ワイヤーソーの張力に追従するものはあったが、電源、電源モーター、配線などの機材設置や交換作業などに時間を要していた。「追従式プーリーユニット」ではプーリーを制御するブレーキ―を装着し、ワイヤーソーの張力がかかるとブレーキが解除されてプーリーが自動的に移動、張力がかからなくなるとブレーキがかかりプーリーを固定、その繰り返しで少しずつプーリーが移動する仕組みを採用。一定の力が加わり、持ちこたえられなくなったところで動く原理を使用することにより、無電源・無配線で自動作業が可能な世界初の技術を実現した。これにより、機材設置や交換作業などの削減、駆動型プーリーを使用しない場合では機械を停止しての位置調整作業が削減され、施工性を高めることができた。



追従式プーリーユニットとその仕組み


 また、連続施工が可能なことから、段取り替えなどに必要な作業員を減らすことができ、省人化にも寄与している。



従来作業との比較


 施工精度では、プーリーが追従することにより最適な切断角度で切除し続けることができるため、±5mm以内で切断が可能となり、切断精度が向上している。また、乾式切断時の集塵作業でも改良を行っている。これまで作業員が機械を止めて作業を行っていたが、切断中の対象物に接触する恐れがあることから安全性に課題があった。これをユニットに集塵用ホースを取り付けることにより、切断時に粉塵を収集することで粉塵量が抑制され、粉塵作業の安全性と環境性を向上させた。



切断面の比較

(左)追従型プーリーユニット使用 (中央)手動プーリー使用 (右)プーリー不使用

追従型プーリーユニットでは±5mm以内の精度で切断が可能。手動でプーリーを移動させる方法では途中で止める作業がともなうため、途中に波状の切断面ができる。プーリーを使用しない場合は鉄筋の干渉を受け、大きくずれが生じる


 同社では、建設業界全体として機械化、自動化に大きく変化が進んでいく環境下において、専門工事会社としてもさまざまな開発や改良が必要と考えている。今回の追従式プーリーユニットは省力化とあわせて、橋梁の合成床版取替にともなう桁上コンクリートの切断作業や、砂防ダムなどの堤体改良にともなう切断作業など正確な形状が求められるコンクリート構造物の部分的な切断、損傷することのできない既存構造物付近の切断など、今まではワイヤーソーでの施工が難しかった工事への活用を進める。



開発をした、河野允告氏(工事本部計画課長・右)と内田健氏(工事本部技術開発部整備開発課・左)。バイクが趣味の河野氏がブレーキの整備をしていたときに、レバーを握っただけで車体にブレーキがかかることから、ワイヤーソーにも同じことができるのではないかとひらめき、本システムが誕生した。

(2021年2月2日掲載)