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1種ケレン以外の素地調整工でRc-Ⅰ塗装系相当以上の防錆効果を実現

錆転換型防食塗装「アースコート防錆-塗装システム」が「VR」に昇格

公開日:2020.03.27

 三重塗料が展開する、錆転換型防食塗装「アースコート防錆-塗装システム」がNETISにおいて活用促進技術として評価され、VR(KK-110056-VR)に昇格した。
 同システムは、サンダーケレン処理の素地調整工で従来工法(Rc-Ⅰ塗装系)と同等以上の高い防錆効果と長期防食性を実現できることが特徴だ。工期では施工面積によるが、Rc-Ⅰ塗装系では最短5日かかるところが3日で行え、最大2日の短縮が可能となる。


塩水噴霧試験での比較/工期の比較

 施工コストでも、1種ケレンが不要となることからブラストにかかる費用のほか、仮設足場設置費用や産業廃棄物処理費の縮減が可能だ。塗装面積1,000m2規模でRc-Ⅰ塗装系と比較して、同システムでは約43%のコスト削減ができる。また、期待耐久年数が一般沿岸部で35年とメンテナンスサイクルが長いことにより、60年でのライフサイクルコスト(LCC)ではRc-Ⅰ塗装系と比べて約46%の削減になる。なお、本工法には特殊な防錆添加剤を配合していることにより耐塩害性に優れ、重塩害地域である沖縄県での案件では、施工後約18年が経過した現在でも安定した防食性を維持しており、高腐食性環境における鳥取県内の日本海沿岸に架設された橋梁においても、経過観察の結果により錆転換の効果と耐塩害対策塗装として高い評価を得られている。


施工事例① (左)施工前/(右)施工完了

施工事例② 施工から3年6カ月経過後の状況

 PCBや鉛等の有害物質含有塗膜の除去では素地調整に係る費用が大きく、とくに財政が厳しい地方自治体では除去対策が課題になっている。イニシャルコストおよびLCCを含めたコスト削減を実現する同システムは、その解決策として期待されるとともに、塗膜除去工では鋼材露出期間が長いため軽度の腐食を広範囲に帯びてしまうという課題があり、その解決策ともなるため、近年では剥離剤工法と併用した案件の採用が増えてきている。
 施工実績(2020年3月時点)は、国土交通省26件、地方自治体340件、民間34件の合400件、約154,500m2となっている。

(2020年3月27日掲載)

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