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同製品群で昨年比2倍以上の売り上げ目指す

スリーエムジャパン コンクリート高品質化のための製品群展開を本格化

 スリーエムジャパンは、コンクリート構造物の高耐久性の実現と、現場施工の軽減などを目的としたコンクリート高品質化のための製品群の展開を本格化する、と発表した。具体的には①「3M™ コンクリート保水養生テープ2227HP/HPW」、②「3M™ コンクリート給水養生用水搬送シート1117」――など。同製品群で昨年比2倍以上の売り上げを目指す。

 ①は橋梁の橋脚や高欄など現場でコンクリートを打設する壁面および天井面において、型枠脱型後に貼り付けることでコンクリートの品質を向上させるコンクリート封緘養生用テープ。従来は散水を繰り返す必要があったが、同製品は高い保水性を備えるため散水が不要で労務を軽減できるほか排水となるアルカリ汚濁水の低減にもつながり環境負荷を大きく減らすことができる。また、施工後コンクリート表面のひび割れ発生率は、標準養生したものと比べて2/3程度に少なくでき、とりわけひび割れ幅は平均0.151㍉と有害ひび割れ幅(0.2㍉程度)を下回る数値を示しており塩害対策、中性化の抑制に大きく寄与する。粘着テープ仕様となっているため壁面や天井面にも貼るだけで設置可能だ。2月にはトンネルなど湿潤度の高いコンクリート表面や微細な凹凸のある表面(セラミックコート型枠や透水型枠シートの使用面)などにも対応できる強粘着タイプ(2227HPW)を発売し、採用を働きかけている。


保水養生テープ


 ②は、主に現場打ちコンクリート床版を対象とした、毛細管現象を利用して動力を用いず水を搬送できるシートだ。同シートはポリオレフィンを主材とした半透明シートに高精細表面技術による微細加工を施し、毛細管現象を起こせるようにしたもの。1梱包は1,000㍉幅×50㍍(約50平方㍍分)で約15㌔と軽く、シート厚も約0.4㍉と嵩張らないため、可搬性に優れており、ハンドリングし易い。シートは現場で形状に合わせて切断する(長さ方向調整はカッター、幅方向の調整は手で切断できる)ことが可能だ。また、シートは水を吸わないため、含水重量比を考慮すると従来用いられてきたマットに比較してさらに軽量と言える。



水搬送シート1117を用いることで得られる特徴

 現場に設けた給水ポイントから養生用の水を入れるだけで、水が自動的に周囲に広がっていく。不陸に追従できるのはもちろん、多少の勾配でも水が上っていく性能を有しており、何らかの理由で上り勾配面に給水ポイントが設けられない現場でも容易に養生できる。また、水は伝わっても(接触していない限り)下には落ちない機構となっているため、桁下への水の落下なども防ぐことが可能だ。半透明であるため、湿潤状況を目視で確認することができる。従来工法は状況を確認する際、一々捲る必要があった。給水量も従来比約1/7程度に減らすことができるため、給水にかかる作業費は約1/10まで削減できる。養生時も床版上面を自由に歩くことが可能。シート設置後にエアクッションなどを上面に敷き詰め併用することで保温養生も可能となる。


シートは手軽に敷き詰められる/水は自動的に広がり、目視で確認可能

 施工後のコンクリートは非常に緻密化されている。国交省標準仕様のコンクリートと比較した場合、同シートを用いることで「緻密度が向上し2ランクの差が生じることから遮水性や塩害・中性化への耐久性が向上している。「特に山間部などでは降雪時に凍結防止剤を散布するが、緻密なため水や塩分がコンクリート内部に浸透せず、塩害などによる損傷を抑制できる」(同社)としている。

 実際に施工した釜石道路向定内橋のPC床版打設工事では、同シートを用いて3か月間の給水養生を実施した。その結果、給水作業は1日1回で済んだ上、従来の養生マットと比べて給水量も1/10に削減できたほか、同シートで養生中の床版上面に750㌔の敷鉄板を敷設し、その上で重機を走行させても、給水養生が行えており、「コンクリート品質の向上だけでなく現場作業性の向上にも寄与できた」(同社)。


向定内橋のPC打設工事での使用例

 昨年12月に発売以来、向定内橋と外環道の田尻工事函渠部分等で採用されているほか「現在30件以上の工事物件で採用を検討されている」(同)ということだ。(井手迫瑞樹)