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阪神高速の大規模更新・修繕事業で活用へ

UFC床版が土木学会で技術評価

阪神高速道路と鹿島建設が共同開発した「超高強度繊維補強コンクリート(UFC)道路橋床版」が、土木学会理事会の技術評価委員会で承認(7月10日)され、10月2日に土木会館で技術評価証を授与された。「第3者の立場から公平な審査によって、安全性および使用性に問題がないとの技術評価を受けた」として、今後、阪神高速道路が進める大規模更新・修繕事業のほか、西船場JCT事業においても鋼床版あるいはプレキャストPC床版代替として選択肢の一つとして考えていく。また、国や自治体など他の機関が進める橋梁の新設や老朽化対策の道路橋床版の取替え需要に向けてPR展開する。

「超高強度繊維補強コンクリート(UFC)道路橋床版」は、超高強度繊維を用いることで薄く軽量で高い耐久性を発揮する床版。耐久試験では、鹿島建設が中心となって開発した特殊鋼繊維「サクセム®」を用いたUFC床版を使い、輪荷重走行試験を合計20万回実施したが、損傷がなく健全であることを確認した。これは阪神高速道路で実測された車両通行の100年分以上に相当する。UFC床版はワッフル型と平板型があり、同サイズのRC床版と比較して重量がワッフル型は約1/4、平板型は約1/2と大幅に軽減することができる。


従来、両社はUFC床版についてワッフル型を先行開発しており、鋼床版の取替用プレキャスト床版として活用することを模索していたが、ワッフル型より製造の手間が少ない平板型を開発、既存RC床版の取替え工事への適用を図っていく。平板型の方が「定性的ではあるが安価なコストを実現できる」(阪神高速道路)としている。また、平板型UFC床版の継手部はパネル間に無収縮モルタルを充填した上で、取替対象となる床版全面を橋軸方向にPCで緊張する方式を採用する。



旧基準で設計された既設RC床版は現行基準より薄く床版厚は180㍉しかない個所もある。そうした個所は現行基準でPC床版などを設計すると210~240㍉程度とより厚くなり、路面高さの変更や、床版を支える鋼桁、橋脚、基礎構造に補強が必要となる可能性がある。だが、UFC床版では150㍉と薄くすることができ、路面高さを変更する必要がなく、重量が増えないことから橋脚や基礎の補強が不要となる。そのほか、取り替える際に鋼桁の補強が必要となるが、従来のPC床版より薄く軽量であるため、補強量を約60%に低減することができる。そのため、UFC床版の製作コストが使用量によって変動するものの、補強量低減とあわせた総コストでは縮減効果があると見込んでいる。工期においても、補強量の低減が利点として効果を発揮すると見られる。