助成研究4件を発表
日本建設あと施工アンカー協会 技術講演会を開催
日本建設あと施工アンカー協会(JCAA/安永裕信会長 右肩写真)は21日、東京・一橋大学一橋講堂で「技術講演会」を開催した。安永会長は開会の挨拶で、同協会は資格認定事業、製品認証事業、調査・研究事業を3つの基本事業としているとし、「本日の技術講演会も調査・研究事業の一環として位置づけている。2022年度より研究助成制度を立ち上げ、あと施工アンカーに関する研究や開発を行っている機関に1年間研究を行っていただき、その成果を発表してもらうのが本会である」とその趣旨を説明した。さらに、「関係学会ならびに関係機関で構成される技術委員会を中心に、あと施工アンカーに関する調査・研究を継続していきたい」と述べた。
助成研究では、「あと施工アンカーとコンクリートブロック空洞部における重ね継ぎ手を併用した固定端部の引抜き耐力の実験的検証」(北海学園大学・植松武是教授)、「金属拡張系あと施工アンカーの引抜き耐力に及ぼすコンクリート強度の影響に関する実験的研究」(ものつくり大学・荒巻卓見助教)、「凍害劣化したコンクリートに対するあと施工アンカーの定着性能に関する研究」(室蘭工業大学・髙瀬裕也准教授)、「長期部材接合における接着系あと施工アンカーの火災時及び火災後の付着強度に関する研究」(小山工業高等専門学校・大和征良准教授)の4件が発表された。
特別講演では、大成建設設計本部の河本慎一郎室長が「国立競技場の設計と施工」と題して、設計コンセプトやプレキャスト部材を用いた施工の効率化などを紹介した。
同会では協会の新資格である「あと施工アンカー登録基幹技能者」と「あと施工アンカー診断士」の説明も行われた。登録基幹技能者は、3月に国土交通大臣により同協会が第43号の登録基幹技能者講習機関として登録されたことから、建設業法施工規則に基づき、熟練した作業能力やマネジメント能力を備えた技能者を認定するもの。受講修了者は主任技術者の要件を満たす者と認め、建設キャリアアップシステムの最高位ランク(レベル4)にも位置づけられる。9月上旬から協会ホームページで受講者の募集を行い、10月21・22日に講習・試験を実施する。「診断士」はあと施工アンカーの健全性の診断および判断を行う資格で、2023年度中の創設を予定している。
会員各社、学識者、施工関係者など約250人が出席した