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工事規制での他責事故が2023年上半期は37件発生

NEXCO東日本 8月から東京外環・地表面陥没事故の地盤補修工事に着手

公開日:2023.07.27

 東日本高速道路(由木文彦社長 右肩写真)は26日、本社で定例会見を開催し、2021~2025年度中期経営計画の見直しや東京外かく環状道路工事で発生した地表面陥没・空洞事故の地盤補修工事などについて説明を行った。
 中期経営計画の見直しは、・高速道路の料金徴収期間が延長されたこと、・カーボンニュートラルへの対応、・物流の2024年問題への対応――の3つの観点をふまえて行う。1点目では、維持管理と更新について優先順位を明確にし、着実に事業を実施するための見通しを立てる。2点目では、グループ全体で高速道路の建設や管理などで発生する温室効果ガス削減計画の策定を行う。3点目では、深夜割引料金制度の見直しやSA・PAの駐車マスの拡充などに取り組む。
 東京外環の地表面陥没・空洞事故にともなう地盤補修工事については、プラントヤード整備などの準備工事が完了したことから、8月2日から本工事に着手する。施工にあたっては、現地の状況をモニタリングしながら振動、騒音の軽減に努めるとともに、安全に細心の注意を払っていく。また、モニタリング結果は、現地の掲示板などで報告していく。着手にあたり同社では、6月に住民を対象とした工事見学会や施工計画を説明するオープンハウス、意見交換会を開催している。由木社長は、「地域住民の不安解消を最優先に会社を挙げて取組み、信頼の回復に誠心誠意努めていく」と述べた。
 会見では、交通規制や作業車両へ一般車両が侵入・衝突した事故(他責事故)が年々増加傾向にあることも報告された。2021年は35件(上半期11件)であったのが、2022年には53件(上半期25件)、2023年は上半期のみで37件となっており、2021年には他責による死亡事故が2件発生している。同社では対策として、自発光式や高輝度反射式の矢印板の使用やポスターなどによるドライバーへの注意喚起と啓発を実施しているほか、走行車線上に設置したリングの凹凸による振動で通行車両に注意喚起を行う振動マット「高速用簡易パンフ」などを開発している。今後は、NEXCO3社で連携し、他責事故の原因分析や技術開発を行っていく。


他責事故件数の推移(暦年)/他責による死亡事故の発生事例(NEXCO東日本提供。以下、同)

他責事故防止対策

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