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インフラメンテナンス教育の推進と技術者育成を支援

高専インフラメンテナンス人材育成推進機構 設立記念フォーラムを開催

公開日:2023.07.25

 高専インフラメンテナンス人材育成推進機構(KOSEN-REIM)(西川和廣理事長 右肩写真)は20日、京都市のキャンパスプラザ京都で設立記念フォーラムを開催した。参加者は、会場90人、オンライン37人の合計127人となった。
 同機構は、舞鶴工業高等専門学校、福島工業高等専門学校、長岡工業高等専門学校、福井工業高等専門学校、香川高等専門学校の5校が2019年度から5カ年で文部科学省の補助事業を活用して推進してきた「KOSEN型産学共同インフラメンテナンス人材育成システムの構築」(KOSEN-REIM。財団法人の愛称としてそのまま使用)の取組みを支援し、さらなる発展と全国各地の高専への展開を目指すために、5校により6月30日に一般財団法人として設立された。7月20日時点の会員数は、行政会員が10団体、法人会員が41団体、個人会員が2人となっている。


会場参加者は90人となった設立記念フォーラム

 西川理事長は記念フォーラム冒頭の挨拶で、「本財団は高専が手掛けてきたインフラメンテナンスの技術者育成を継続し、発展させるための財政的支援と高専のネットワークを通じた自治体などへの技術支援を行うことを目的としている。本日も多くの方に参加いただいており、その期待に違わぬように、高専のインフラメンテナンス教育をさらに発展させるべく、着実に活動を続けていく。生産年齢人口の減少が深刻になるなかで、KOSEN-REIMの取組みは今後、重要な位置を占めることになると確信している」と述べた。西川氏は、2010年に13高専による「橋の老朽化対策研究会」が発足した際に基調講演を行い、その後も舞鶴高専をはじめとした5高専でのインフラメンテナンスの取組みで講演を行ってきたことから、今般、理事長に就任している。
 来賓挨拶と役員紹介後には、玉田和也理事(舞鶴工業高等専門学校建設システム工学科教授・社会基盤メンテナンス教育センター(iMec)センター長)が事業概要説明を行った。事業では、高専生に確固としたメンテナンスマインドを持ってもらうための教育、社会人の学び直し教育を行うことを目的とし、その教育の場を整備し提供していく。また、土木技術者の育成や、異分野からメンテンナンス分野に参入する法人等への協力も実施していく。設立後の運営は会員の年会費と寄付となるため、さらなる支援も呼びかけた。
 基調講演では、舞鶴高専出身で国土交通省中国地方整備局副局長の岩崎福久氏が「地域インフラ群再生戦略マネジメントの実現に向けて~インフラメンテナンス第2フェーズへ向けた取り組み~」と題して講演。笹子トンネル天井板崩落事故以降、10年間のインフラメンテナンスの取組みを説明したうえで、今後の施策として、「各地域の将来像に基づき、複数・広域・他分野のインフラを『群』として捉え、総合的かつ多角的な視点から戦略的に地域のインフラをマネジメントする」ことを紹介した。さらに、その実施プロセスや広域連携の取組み事例について説明を行った。


事業概要説明を行った玉田和也理事(左)/基調講演を行った岩崎福久中国地方整備局副局長(右)

設立記念フォーラム後の記念撮影

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