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従来工法と比較して約8割の工程短縮を実現

駒井ハルテック 抜き取り可能なアンカーボルト「Rアンカー」を展開

公開日:2023.06.12

 駒井ハルテックは、5月24日~26日に千葉・幕張メッセで開催された「第5回建設・測量生産性向上展」に、抜き取り可能なアンカーボルト「Rアンカー」(NETIS:KT-180026-A)を出展した。
 同アンカーは仮設材などを固定するあと施工アンカーボルトで、定着部に特殊コーティングを施すことにより、使用後に逆回転を加えることで完全にボルトを撤去できるものだ。ボルトサイズはM16~M39となっており、M16などの小口径であればレンチによる人力での撤去も可能だ。


施工状況/特殊コーティングにより使用後にボルトを完全に撤去できる

 従来工法では、アンカーボルト撤去時にコンクリート内にボルトが一部残置されるため、水や塩分などの腐食因子によりそのボルトが腐食してコンクリートの劣化につながる可能性があった。また、同じ位置に再度アンカーボルトを設置する際には、既設アンカーボルトを避けて施工しなければならなかった。Rアンカーは抜き取り可能とすることで、これらの課題を解決した。
 施工は、削孔後にアクリル樹脂系接着剤を注入して定着するという簡易なものとなっている。従来工法では接着剤にエポキシ樹脂系を用いていたが、Rアンカーではアクリル樹脂系を使用している。アクリル樹脂系接着剤は低温(最低可使温度-10℃)でも施工可能で、粘性が高いため、注入時にパイプやシール材の設置が不要、かつ横向き、上向きでの施工が可能であり、削孔内が湿潤状態でも水滴が除去されていれば施工ができるという特徴を有している。
 硬化は施工状況により異なるが、夏用樹脂は25℃下において70分程度、冬用樹脂は5℃下において120分程度となっていて、1日の養生期間でアンカーボルトを使用できるようになる。引抜き試験でもエポキシ樹脂と同等以上の強度を有することが確認されている。硬化時間の短縮やシール材などの設置などが不要になることから、従来工法と比較して約8割の工程短縮(ボルト径により変動あり)を実現した。


従来工法との比較(設置・撤去)

 接着剤の注入では専用の機器を使用することで、従来工法で必要だった樹脂の計量作業、攪拌作業が不要になる。このため、計量ミス、攪拌不足による施工不良を防止することができるとともに、充填工に熟練した作業員以外でも施工できるようになっている。


アクリル樹脂注入機器

 同アンカーはこれまで、国土交通省や高速道路会社、地方自治体の工事で足場やジャッキアップブラケット、転倒防止装置、横取り設備の固定などに採用されている。


「第5回建設・測量生産性向上展」での駒井ハルテックのブース

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