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災害協定締結とメーカーとの技術的な連携を推進

橋塗協 新会長に槌谷幹義氏(大同塗装工業社長)を選出

公開日:2023.05.22

 日本橋梁・鋼構造物塗装技術協会(橋塗協)は19日、東京・アルカディア市ヶ谷で第12回定時総会を開催した。任期満了に伴う役員改選では、会長として槌谷幹義氏(大同塗装工業代表取締役/新任 右肩写真)、副会長として小掠武志氏(小掠塗装店代表取締役/再任)、鈴木喜亮氏(ナカセン会長/再任)、中村順一氏(ナプコ代表取締役/新任)を選出した。
 槌谷新会長は挨拶で、5期10年にわたり会長を務めた奈良間力前会長に謝辞を述べたうえで、これまでの事業を踏襲していくとともに、ふたつのことに力を入れて取り組む方針を明らかにした。第一は、「地域貢献の一環としての全国各地の行政との災害協定締結の推進」である。すでに一部自治体とは災害協定の締結に向けて折衝を開始していて、「今後は各自治体とその地域に合った協定を各地区委員会で締結してほしい」と要望した。第二は、「塗料メーカーや機械メーカーなどとの技術的な連携をさらに進める」ことだ。橋塗協が技術協会であることを挙げ、「担い手不足を補うには技術革新による効率化が不可欠」として、「さらなる機械化やITを使った施工管理の省力化などに加えて、社会インフラを良好な状態でストックしていくために、新しい塗装仕様の開発や既存の塗装仕様の一部見直しも視野に入れた議論が今後必要になってくる」との認識を示した。
 定時総会では2023年度の事業計画として、①元請負受注体制の維持と会員の諸問題の解決、②高塗着スプレー塗装工法の一層の普及、③新規加入会員の増加と地区での事業活動推進、――の3項目が報告された。


第12回定時総会の様子

 総会後には会長表彰が行われた。表彰者は以下の通り(敬称略)。
・優秀研究賞 江成孝文(建設塗装工業)
・優秀施工賞 小林大晃(山田塗料店)・齊藤祐二(くちき)・鈴木光平(東海塗装)
・安全施工者表彰 品田藤夫(平世美装)・洞口裕之(建装工業)


表彰者の記念撮影

 総会に先立って行われた第23回技術発表大会には90人以上が参加。冨山禎仁氏(土木研究所)による「耐候性鋼材の補修塗装における素地調整程度に関する検討」、和田直樹氏(西日本旅客鉄道)による「鋼鉄道橋に対する種々の素地調整手法の適用性評価」、藤川祥汰氏(大伸化学)による「ブラスト処理後における塩分低減剤の性能評価」、山室堅治氏(中央労働災害防止協会)による「橋梁等における塗膜剥離剤除去作業におけるばく露実態調査結果」が報告された。藤川氏は、素地調整後に残存する塩分対策として開発された造膜型塩分低減剤「ソルトリッパーFM」について言及。水洗工と同等の効果が得られることや、塩分を含んだ皮膜を鋼材表面から手で剥がせるため、再汚染を防ぐとともに廃水処理が不要で施工性の向上につながることを説明した。


(左)90人以上が参加した第23回技術発表大会
(右)総会後の懇談会では、槌谷新会長(左)から5期10年会長を務めた奈良間前会長(右)に花束が贈呈された

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