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鋼橋のデータ連携実装に向けた共同宣言に署名

建設コンサルタンツ協会と日本橋梁建設協会 設計段階と施工段階のデータ連携実装を加速

公開日:2023.04.19

 建設コンサルタンツ協会(野崎秀則会長)と日本橋梁建設協会(髙田和彦会長)は18日、国土交通省インフラDXルームで同省の吉岡幹夫技監と森下博之官房参事官の立会のもと、橋梁技術のデータ連携実装に向けた共同宣言の署名式を行った。
 鋼橋工事ではこれまで“i-Bridge活用工事”などでICTの活用、3次元モデルなどの活用による設計・製作・施工の合理化を図ってきたが、共同宣言により鋼橋における設計段階と施工段階のデータ連携を加速させる。2023年度からのBIM/CIM原則適用にあたっては、鋼橋の自動設計システムから施工へのデータ連携も課題に挙げられており、国土交通省と両協会からなるプロジェクトチームで対応することが決定されていることも、今回の共同宣言に至った経緯となった。
 署名式後の挨拶で、野崎会長は「両協会が共同でデータ連携の仕組みを構築することで、DXの真の目的である生産性向上、働き方改革につながる」と述べ、髙田会長は「橋建協では2016年に設計情報属性ファイルを通じてデータ連携を図る検討を始めた。共同開発を進めることで、長年の課題が一気に解決に向けて進むと期待している」と語った。立会人を務めた吉岡技監は「インフラDXは分野横断的、かつ網羅的に取り組みことが必要で、データ連携は非常に重要な要素となる。その先駆けとなる共同宣言であり、トップランナーとして鋼橋分野に実装していくことは意義のあること。発注者としてもしっかりと協力をしていく」と期待を込めた。
 設計側と施工側のデータ連携を図るためには、設計側の自動設計システム内のデータベースに保存されている設計結果や数量情報を共通データフォーマットである「設計情報属性ファイル」に取り込み、出力することが必要になる。これにより、施工側の生産情報システムで積算や自動原寸・生産計画などへの活用が可能になる。今後は、設計の過程で作り上げていく設計情報属性ファイルの細かな仕様を詰めていき、連携を可能とするシステム実装を目指す。同時に、属性ファイルの吐き出しと受け取りを行うソフト開発も進めていく。
 実装に向けては、両協会にベンダー数社を加えた活用検討WGを設置し、その下に設計TF(タスクフォース)と施工TFを設置して共同で課題に対応していく。
 両協会では標準的な構造形式のデータ連携実装から開始するとしており、今年度に鈑桁、来年度に箱桁のデータ連携実装を目指す。


署名式後の記念撮影。(左写真)野崎会長(左)と髙田会長(右)
(右写真)右から髙田会長、吉岡技監、森下参事官、野崎会長

建設コンサルタンツ協会・日本橋梁建設協会提供

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