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6kWの高出力ファイバレーザ発振器を設置

古河電気工業 インフラ構造物向け表面処理ソリューションの共創拠点「インフラレーザラボ」を開設

公開日:2023.01.26

 古河電気工業は26日、同社千葉事業所内に「インフラレーザラボ」を開設した。同社では昨年11月に、インフラ構造物向け表面処理ソリューション事業「インフラレーザTM」を立ち上げており、同ラボはパートナー企業とそのソリューション開発に取り組む拠点となる。
 鋼構造物の既設塗膜や錆の除去、コンクリートの斫りに用いるレーザ技術は、対象となる構造物によって必要になるシステム構成が異なり、個々の作業内容や環境などに合わせた施工システム開発が必要になっている。同ラボを活用して、パートナー企業とそれらシステムの実験を行い、共創していくことで、「インフラ構造物の老朽化対策や長寿命化に貢献していきたい」(同社営業統括本部ソーシャルデザイン統括部・奈良一孝統括部長)としている。2025年度までに一部構造物での実展開を行い、他の構造物も順次展開していく。橋梁分野については、施工システム開発に加えて工法としての認定を目指す取組みも進めていく。
 同ラボには6kWの高出力ファイバレーザ発振器と、照射ヘッドをフレキシブルに動かすことができる遠隔ロボットが設置されている。このため、幅広いサイズ・形状のサンプルを用いて、レーザ加工の有効性を確認する要素実験が可能だ。また、床面積45㎡、天井高約5mのスペースを確保していることから、インフラ構造物向けの大型サンプルでの実験にも対応できる。屋外や実フィールドでの実験のために出張実験用車両を配備しており、発振器と照射ヘッドをつなぐケーブルも100m用意されている。


高出力ファイバレーザ発振器と遠隔ロボットの先端に設置されている照射ヘッド/大型サンプルの実験にも対応できる「インフラレーザラボ」内部

出張実験用車両

 26日は同ラボで、鋼板を用いた錆および塗膜除去の実演が行われた。サイズ100mm×100mm、膜厚400μmの塗膜を6kWの高出力により約10秒で除去していた。


鋼板を用いた錆および塗膜除去の実演

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