7大学27人の学生が参加
首都高速道路 「点検・補修デモ2022」を開催
首都高速道路は28日、高速湾岸線高架下の辰巳補修基地で「首都高点検・補修デモ2022」を開催した。同デモは維持管理などの現場で活用されている最新の技術や車両を学生に体感してもらうことで次世代の技術者育成の一助となることを目的に開催されているもの。3年ぶり13回目となる今回は、首都圏7大学(東京工業大学、横浜国立大学、埼玉大学、筑波大学、東京都立大学、法政大学、芝浦工業大学)の土木工学などを専攻する学生27人が参加した。
点検ドローンや360°全方位カメラなど点検困難箇所の点検を効率化する技術、磁粉探傷試験や電磁波レーダーによる鉄筋探査法などの非破壊検査技術、ストップホールによる鋼橋き裂補修などの説明と実演が行われたほか、3次元点群データとGISを活用した維持管理システム「インフラドクター」や鋼橋の疲労損傷を効率的に学習できる「点検訓練シミュレーター」の説明がなされた。
点検ドローン、磁粉探傷試験、電磁波レーダーによる鉄筋探査法のデモンストレーション
鋼橋き裂補修の実演とインフラドクターの説明を聞く学生
新製品では、鋼製橋脚などに設置するFRP製マンホール蓋が紹介された。従来の鋼製(約25kg)をFRP製(約4kg)とすることで腐食防止と軽量化を図り、かさ上げにより外部からの雨水侵入を防止できることが特徴となっている。施工日数も一般的な溶接を用いた取替えでは7日間を要していたが、新たに開発した接着工法により2日間に短縮している。
新製品として紹介されたFRP製マンホール蓋
車両は、道路照明の照度診断やETC電界強度診断、トンネル内の環境診断が可能な「ウェーブドクター」、ハイブリッド電源システムを採用した「環境配慮型多電源標識車」や首都高グループのみが保有する「軸重試験車」などが展示され、学生がその説明に聞き入っていた。
ウェーブドクター
環境配慮型多電源標識車と軸重試験車
保全・交通部 点検・補修推進室点検・補修推進課の七田裕管理用建物保全担当課長は、「本年12月20日には首都高速開通60周年を迎える。お客様第一という経営理念に基づき安全・安心を追求し、お客様に快適なサービスを提供することを目的に、引き続き適切な点検、維持管理を進めていきたい」と語った。