橋梁だけでなくすべてのインフラに対応した活動を行う
橋守支援センター静岡 技術研鑽会を開催
橋守支援センター静岡(理事長:長山智則東京大学教授、右肩写真。会員社66社)は19日、東京大学で「技術研鑽会in東京大学2022」を開催した。東京での開催は2019年以来3年ぶりとなり、70人が参加した。
長山理事長は「(設立から6年目を迎えて)地元からの要望が年々増えてきているとともに、さまざまな課題に対して自治体を始めたとした道路管理者やコンサルタント、地元の施工業者などが当センターに相談するということが浸透してきた。現在は、橋梁だけでなく、すべての社会インフラにも対応しており、防災への相談も全体の半分を占めるようになってきているので、防災対応も進めていきたい」と現状報告を行った。同センターでは2021年度に、崩落した六十谷水管橋の点検、吊橋(瀬戸橋)の長寿命化支援、歩道橋の撤去支援、災害支援、NEXCO職員向けの講習会などの活動を行っている。
「各社が強みとする固有の技術をお互いに知ることで、課題に対応する際の重要な情報交換の場になる」(長山理事長)とする同会では、構造物の長寿命化技術について13社が発表を行った。
IPH工法協会は「コンクリート構造物の再劣化対策と長寿命化」と題して、コンクリート内部の空気と注入樹脂を置換することにより、末端の微細クラックまで樹脂充填が可能となるIPH工法の説明を行った。ヤマダインフラテクノスは「疲労き裂予防の現状と今後の展望」と題して、産業廃棄物の量を大きく減らすことができる循環式エコクリーンブラスト工法に、疲労き裂予防を実現できるショットピーニング処理を組み合わせたエコクリーンハイブリッド工法を紹介。ナカボーテックは「橋梁における電気防食工法の適用例」として、NAKAROD方式を説明。同方式は、外部電源が不要の線状流電陽極方式を採用し、設備などのメンテナンスを軽減するとともに、防食効果が長期継続することが特徴となっている。さらに、陽極システムをユニット化することにより設置も簡単でコスト削減を図ることができる。
その他、下記の発表が行われた。
■「DON’T DIG工法の紹介」ビーセーフ
■「NPO橋守支援センター静岡磐田支部の活動報告」堀内土木
■「超薄膜スケルトンはく落防災コーティング」エムビーエス
■「橋梁長寿命化対策製品の案内」日軽産業
■「ボルトナット防錆キャップ『まもるくん』」共和ゴム
■「コンクリートの長寿命化技術のご紹介」ポゾリスソリューションズ
■「IBアンカー工法の紹介」エバーストラクション
■「仮設足場設置困難箇所における施工技術」アースシフト
■「インフラ構造物のデジタル画像を用いた調査事例とAI解析技術」中部EEN
■「道路・鉄道インフラのモニタリング技術」東京大学
技術研鑽会の様子