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「経済的で環境に優しい鋼構造物の疲労き裂予防保全工法の開発」が評価

ヤマダインフラテクノス、岐阜大学・木下幸治准教授 文部科学大臣表彰科学技術賞(技術部門)を受賞

公開日:2022.04.09

 ヤマダインフラテクノスの山田博文社長と山田翔平専務は、岐阜大学の木下幸治准教授と共同で、文部科学大臣表彰科学技術賞(技術部門)を受賞した。「経済的で環境に優しい鋼構造物の疲労き裂予防保全工法の開発」が評価されたもの。同技術は、無数の特殊鋼球(ピーニング材)を高速度で鋼材表面に打ち当て、表面近傍だけを塑性変形させることで、表面層に圧縮残留応力を与え、疲労き裂と応力腐食割れなどに対する抵抗力の向上を図るショットピーニングを用いている。表面の結晶が微細化され、き裂の進展を抑制する効果もあり、ヤマダインフラテクノスでは、既にエコクリーンハイブリッド工法として実現場に展開している。(現時点で、東名高速特定更新工事をはじめ15件の施工実績)

 ピーニング工法は自動車や航空機などにおいては古くから用いられてきた。一方で既設橋梁では、ピーニング材の飛散防止対策が大掛かりになる事や、ピーニング材の回収再利用が困難であった事から、工場内での施工に留まり、既設橋梁への採用は見送られてきた。

 山田博文社長は「我々が開発したエコクリーンハイブリッド工法は、①塗装塗替え工事と同時に施工し、ブラスト用の足場や飛散防護設備および②循環式ブラスト工法の「循環再利用システム」を併用する、③塗装用研削材(スチールグリット)をピーニング用特殊鋼球に替える、④現場での施工管理手法、出来形管理手法を確立する――などの自社で培った技術を援用することで、飛散防止対策を確実にし、ピーニング材の回収再利用を行うことで環境負荷低減とコスト縮減を両立させ、既設橋梁でのショットピーニングを可能にし、安定した品質確保を行えるようにした。今次の表彰はこの成果が認められたものといえる」と受賞の感想を述べ、これからの予防保全型インフラメンテナンスでの更なる期待を寄せていた。

エコクリーンハイブリッド工法資料(ヤマダインフラテクノス提供)

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