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技術評価点の高い2者と実施設計契約を締結

首都高速道路 日本橋区間地下化事業 本体工事で新たな総合評価落札方式を採用

公開日:2022.03.11

 首都高速道路(前田信弘社長)は10日、大規模更新事業として進めている日本橋区間地下化事業の本体工事契約手続きを2022年度に開始するにあたり、新たに試行する契約方式などの説明会を開催した。当日は39社94名が参加した。本体工事は、「常盤橋地区トンネル工事」(4月下旬に手続き開始公示予定)「シールドトンネル工事」「高速6号向島線接続地区上部・橋脚・基礎工事」(ともに2022年度第2四半期に同公示予定)の3件となる。


本体工事3件の概要(首都高速道路提供。以下、同)

 同事業は複数の周辺再開発事業と連動するとともに、近接構造物や日本橋川への影響も考慮しなければならない難易度の高い工事となることから、民間企業の施工ノウハウの活用が不可欠となる。そこで同社では本体工事に新たな総合評価落札方式を採用し、技術評価点が高い2者と実施設計を行う「技術選抜設計承認方式」を試行的に実施する。競争参加者の負担を最小限に抑えるためと、技術評価点が僅差となった場合でも特定工種の優れた技術提案を幅広く採用できる可能性を排除しないため、である。
 同方式では、競争参加資格者が技術提案書や特異事象に対する提案書などを提出し、技術ヒアリング、改善提案書の提出後、1次技術審査・評価を行って、技術評価点が高い2者(段階選抜者)を決定。その段階選抜者と実施設計契約を締結する。特異事象に対する提案とは、支障物への対応などの不確定事象に対して、大幅な工事費の増嵩または工程遅延を低減することができる対策の提案を行うもの。対策工に関してあらかじめ施工方法や単価を定めておくことで、設計変更協議の円滑化や予算管理の精度向上を図ることを目的としている。
 実施設計契約後は、受発注者間の負担軽減のために設計内容を限定した実施設計を行い、価格などのヒアリング、見積条件の合意後、最終技術提案書と最終詳細工事費内訳書を提出。その2次評価をして、入札へと進み、総合評価で工事契約者を決定する。見積条件を合意した工種に対しては、工事契約後、自動的に個別単価合意することで、設計変更協議の円滑化を図る。

 技術提案の評価項目については以下の9点となっている。
 ①周辺環境への配慮(地上および沿道環境、河川内施設への配慮・工夫等)
 ②現場条件への配慮(基本条件を踏まえた構造および施工計画の配慮・工夫等)
 ③施工性に関する工夫(作業ヤードおよび工程を順守するための工夫等)
 ④安全性への配慮(河川内施工における異常出水に対する配慮・工夫等)
 ⑤後工程に対する配慮(予定されている後施工内容を踏まえた配慮・工夫等)
 ⑥安全管理に関する工夫(影響構造物に対する工事中の状態把握および管理手法の工夫等)
 ⑦品質確保に関する工夫(維持管理性を考慮した構造および出来形管理への工夫等)
 ⑧環境への配慮(カーボンニュートラルへの取組み)
 ⑨i-Constructionの推進(ICTの活用による生産性向上への取組み)


契約手続きの概略スケジュール(予定)

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