道路構造物ジャーナルNET

新ビジョンの策定に着手

PC建協 2021年度上半期受注額は前年同期比125%の1,926億円

公開日:2022.01.15

 プレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協/大野達也会長、右肩写真)は14日、東京のホテルグランドアーク半蔵門で新年挨拶会を開催し、会員各社と賛助会員から約150人が参加した。挨拶会の前には、会長および執行部が出席した記者会見が開催され、2021年度上半期受注状況などの説明が行われた。
 会見の冒頭で大野会長は、「会員各社の受注額は昨年度まで6期連続で3,000億円以上を維持している。これも協会やPC技術への期待の表れと考えており、それに応えるべく引き続き専門技術をもってインフラの整備や国土強靭化に貢献していく」と述べるとともに、「カーボンニュートラルなどの新たな課題に対する協会としての方針を示すため、現行の『新ビジョン2017』をさらに進化させた新ビジョンの策定に今年から取り掛かる」ことを明らかにした。
 2021年度の会員各社の上半期受注額は、1,926億円で前年を386億円上回った(前年度比125%)。施主別では、中央官庁143億円(同比82%)、地方自治体353億円(同比130%)、高速道路会社1,190億円(同比153%)、鉄道会社202億円(同比83%)。工事種別では、新設が935億円(同比116%)、補修・補強が991億円(同比135%)で、補修・補強が新設を上回った。今期は、新設と補修・補強ともに発注が増加する見込みで、受注額も前年度を上回る予想だ。


会員会社の受注額推移(PC建協提供)

 補修・補強に関しては、国土交通省との意見交換会のテーマとしてPC橋補修工事での技術提案・交渉方式による発注要請を2016年度から継続してきた結果、3件がECI方式で公告され、会員社が工事契約者となったことが報告された。工事3件は、「国道3号千歳橋補修工事(2019年九州地方整備局発注)」「薩摩川内市道天大橋補修工事(2020年九州地方整備局発注)」「妙高大橋撤去工事(2021年北陸地方整備局発注)」。さらに補修・補強工事では、施工内容に対応できる工法などの技術開発や、大規模化や重交通区間施工が増えている床版取替工事での施工性や安全性の担保について研究の余地があるとの見解を示した。
 新年挨拶会では、大野会長が「プレキャスト技術の活用とICTの活用を2本柱とするi-Bridgeをさらに推進していく生産性向上挑戦の年にしたい」と挨拶した後、来賓の参議院議員・佐藤信秋氏、足立敏之氏、衆議院議員・井林辰憲氏、国土交通省事務次官・山田邦博氏、日本道路協会会長・菊川滋氏が挨拶を行った。

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