Quik Deck比35%軽量化、従来工法比半分の工程で設置可能
日綜産業 Quik Deck Lightが静岡県発注工事で初採用
日綜産業のシステム吊り足場「Quik Deck Light(クイックデッキライト、以降「ライト」)」が、静岡県発注の浜松御前崎自転車道線白砂橋補修工事で初採用された。ライトは先行床施工式のシステム吊り足場「Quik Deck」と同様の先行床施工式システム吊り足場だが、部材の総重量をクイックデッキより35%軽量化することで施工効率を20%以上アップさせているもの。軽量かつ設置しやすいため、将来予想される熟練工の不足や、作業員高齢化の問題にも先取り対応している足場といえる。積載荷重は200kg/m2で、比較的小規模な橋梁の塗装工事や、ボルト交換、耐震補強工事などを対象としている。部材重量が軽量なため、スレンダーな部材を用いている鋼桁などにも負担なく設置できる。吊りチェーン間隔は2.5mと広く、良好な作業性も期待できる。すでに全国で70現場、静岡県内でも6現場で採用されている。
Quik Deck Light設置状況(日綜産業提供)
白砂橋全景(左写真、日綜産業提供/右写真、井手迫瑞樹撮影)
今回、ライトが採用された白砂橋は、1992年3月に供用された掛川市大渕地内の東大谷川渡河部に架かる橋長52mの鋼下路式ランガー橋で、日本鉄塔工業が上部工を施工した。すでに2003年3月に桁全体、2009、10年の2回にわたって、桁内面と桁外面の一部を塗り替えている(写真)が、海にほど近く、塩害の影響を受けていることから添接部を中心に腐食が進行しており、今回、高力ボルトを2,100本弱、合わせて腐食が大きい添接板を交換するもの、また、交換の際は、バイパス材など施工するため、その仮設置のボルト工と合わせ、約4,400本のボルトを使用する予定だ。1m2あたり最大積載荷重は150kgであることから、今回200kg/m2の積載能力を有し、しかも部材が軽量で施工しやすいライトを採用した。
橋名版および塗装履歴/腐食しているボルト部/足場内から下流を見るとすぐに海が臨める
足場内、吊り間隔の広さがわかる/交換したボルト
ライトは、部材厚も軽く、とりわけ足場となるウッドデッキパネルは11.5kgとQuik Deckに比べて3分の1強に軽量化しているため1人で持ち運びできる。足場は2.5m分を組んでいっぺんに架けられるため安全でなおかつ従来の単管パイプ足場に比べて半分弱の工期で架設を完了させることができた。
今回、採用した大浜中村組の阿形嘉博工事課長は、「作業性の面でも設置・撤去する上での工期や安全性の面でも良い足場といえる。コスト面で、発注者と話し合う必要があるが、今後も使っていきたい」と語っていた。
一次下請はKAMIYA、二次下請(足場施工)はANT。