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鋼床版鈑桁へ交換

NEXCO西日本 中国道御堂筋橋を桁ごと取替え

公開日:2020.06.15

 NEXCO西日本関西支社は、中国自動車道の豊中市内で御堂筋(国道432号)と交差する箇所に架かる御堂筋橋(上り線)の架け替えを行っている。6月12日零時から6月28日午前5時まで中国道吹田JCT~池田IC間を全面通行止めして行っている更新工事の一環で、御堂筋橋以外にも、吹田JCT橋、津雲台橋、新千里橋の床版補修・高性能床版防水などを合わせて施工している。通常、大規模更新は損傷したRC床版をプレキャストPC床版に取替えるものであるが、今回は桁ごと、鋼床版鈑桁に取替えていくことが特徴だ。(井手迫瑞樹)


鋼床版鈑桁(井手迫瑞樹撮影)

 同橋は、1969年3月に供用した橋長49.192mの鋼3径間連続鈑桁橋。RC床版を採用しており、180mmと薄く、4主桁の桁支間は3.1mと長い。斜角は79°を有し、支間長も中央が21.9m、両側径間が13.35mと不等径間となっている。吹田JCT~豊中IC間の1日当たりの交通量は新名神開通前で71,000台(大型車混入率37%)、開通後もなお55,000台(同34%)を誇る。一方で凍結防止剤の散布量はそれほど多くない。そのため、床版にひび割れは見られるが、当初及び過去の補修において床版防水を施工していないにも関わらず、床版内部の鉄筋の腐食は生じておらず、漏水などもあまり見られない。しかし、大型車混入率の多さから疲労によるひび割れは大きく進んでおり、今回取り替えることにした。
 桁ごと取替えるのは、既設桁の断面性能場そもそも弱く現在のB活荷重で精査すると軒並みアウトであることや、PC床版への取替に際し桁に施す補強量が多くなりすぎて、施工環境(桁直下は御堂筋があり、高速道路桁の両側には府道の高架があるなど厳しい条件)や下部工への影響などを考慮すると非現実的であることから、全面通行止めして下り線の桁上に、予め鋼床版を取り付けた鋼桁を持ち込みクレーンで架設し桁ごと更新する手法を採用した。
 桁ごと更新するため床版の撤去は桁間のみを切断するだけよく、桁直上のコンクリートは桁ごと切断し撤去していく。


壁高欄の吊切撤去状況(井手迫瑞樹撮影)

 13日深夜から14日未明に公開された同現場では、550t吊クレーンを用いて壁高欄の吊切断及び撤去を行っていた。
 元請はJFEエンジニアリング・エム エム ブリッジ・川田工業・宮地エンジニアリング・ピーエス三菱JV。(7月中旬に『現場を巡る』で詳しく取り上げます)

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