高い防食性能、揺れや振動への抵抗性、透明性を有する
共和ゴム 乾式接合透明ボルトナット防錆キャップ『まもるくん』を展開
従来品より高い防食性、耐久性、維持管理性を有する
腐食環境の厳しい個所に展開、再来年度の採用目標は5万個
共和ゴムは、橋梁など鋼構造物の維持管理、長寿命化を目的とした乾式接合透明ボルトナット防錆キャップ『まもるくん』を今年2月に順次上市し、堅調に展開している。同キャップはLEDに使用されているものと同様の透明なポリカーボネート製のキャップ、EPDM製の防水パッキン、透明シリコンゴム製のゆるみ止め機構で構成されている。高い耐食性、耐振動性、点検性を有し、手締めするだけで簡便に取り付けることが可能だ。既に関西国際空港や京浜急行の設備類、ミャオマ大橋(ミャンマー)の照明柱、館山1号橋(北海道伊達市)の高欄など約2,000個の出荷実績を有している。
歩道橋施工例
ミャオマ大橋施工例
館山1号橋施工例/まもるくんの設置状況
耐食性は複合サイクル試験(CCT試験、JIS H 8502 めっきの耐食性試験方法)でも200サイクルをクリアし、「防食性能は防錆キャップの無い亜鉛めっき防食されたボルト(で赤錆が生じだすのが40サイクル程度)の5倍程度である200サイクルを超えても一切赤錆は発生しなかった。少なくとも沖縄県のような激しい腐食環境下で8年、その他の沿岸部でも10年相当の耐久性があることが確認できた」(寺坂剛社長)としている。透明性も高く、点検が容易であり、白濁化や黄化などについても「20年後でも2%程度しか透明度は落ちない」(同)。強度はガラスの250倍以上を有し、さらに揺れや振動にも強く、NAS振動試験では1,750~1,800c.p.m(/分)で17分間合計30,000回揺らしても目立った損傷は起きず、ゆるみ止め機構やパッキンの耐久性の高さが実証できた。
現在はシングルナット用でM8~M24の6サイズ、ダブルナット用でM16~M52の11サイズ、高力ボルト用でM16~27までの5サイズ、さらにスーパーハイテンションボルトにも適用可能。ただし高力ボルト以上の大型なボルト被覆に使う場合はより安全性を高めるため、手締めではなく、何らかの確認ができる設置方法を考慮している。
寺阪社長は「全てのボルトで採用していただくことは考えておらず、例えば鋼橋であれば、桁端部に位置する添接ボルトや支承のアンカーボルトなど腐食環境の厳しい個所に設置するように働きかけていきたい。既にボルトヘッド用のキャップも開発を進めており、来年1月には上市できる予定で、ボルトを両側から保護可能なシステムを提供できる。今後は来年度で2万個、再来年度は5万個を販売できるよう積極的に営業していきたい」と話している。価格は標準サイズ(M24W)で1個1,000円。
(2019年9月24日掲載、井手迫瑞樹)