道路構造物ジャーナルNET

構造計画研究所・川田テクノロジーズ・川田建設の3社共同で

工事現場を3DVR化し、設計・施工技術者の情報共有を円滑化する「BridgeStudio」を開発

公開日:2019.06.06

東北道迫川橋で既に実適用

 構造計画研究所と川田テクノロジーズ、川田建設の3社は橋梁保全の工事現場における生産性向上を目的とし、工事現場を3DVR化することが可能なITソリューション「BridgeStudio powered by NavVis technology」(以下、「BridgeStudio」)の試験運用を開始した。既に東日本高速道路仙台管理事務所管内の東北道迫川(はさまがわ)橋床版取替工事で実際に使用している。同現場では、橋長213m、橋面積約2,300㎡の主橋体すべての点群データと380地点の画像データを約10時間で取得し、2日後には関係者間で3DVR化された現場情報のWebページでの共用を可能にしている。視覚的でわかりやすい情報の共有化により、現場への実地調査回数を低減でき、オフィスの設計技術者と現場の施工技術者間の情報共有の円滑化などを測ることができるのが特徴だ。


3DVRデータ例

GPSに左右されない手持ち計測デバイス「HandMapper」を使用
 設計担当者の出張回数が4分の1に激減

 「BridgeStudio」は、ドイツのNavVis社が開発した「IndoorViewer」の技術をベースとしている。専用の計測機器を用いて橋梁保全の工事現場を計測し、デジタル画像や点群データから3DVRデータを作成し、Webページなどで情報を供用するもの。従来の計測機器では桁下や床版下面などでGPSが効かなくなり必要なデータを取得するのに手間を要していたが、構造計画研究所と川田テクノロジーズは共同でそうした箇所でも計測可能な360°カメラとスマートフォンを組み合わせた手持ち型計測デバイス「HandMapper」(右写真)を開発して、3DVRデータの作成を行えるようにしている。
 NEXCO3社などで大規模に行われている床版取替えや都市高速の補修・保全工事では、吊り足場内が狭く、現状の調査などは1度見るだけでなく、設計を行う際に再度現場の状況を確認しに行かなくてはならず、手間を要していた。

現場撮影状況

 従来は、設計担当者が工事着手前および設計図完了後に現場調査を行い、支障物(既設構造物)の撤去、アンカー設置完了など工事進捗の段階ごとに現場確認を行っていたが、本システムを導入することにより、設計担当者は工事着手前の現地確認を行ったのみで、その後の段階確認においては、現場管理員に写真の撮影や計測を的確に指示することが出来たため、出張予定を4回としていたところ1回で済んだ。
 また、現場事務所内での工程打合せにおいて、現場担当者が所長に現地の状況を説明するのに使用するなどしている。

 3社は今後「BridgeStudio」を積極的に現場適用し、補修工事で点群データも取りながら足場内へ設計担当者が行かなくても状況を把握できるようにし、省人化とコストの縮減を図っていく考えだ。

(2019年6月6日掲載)

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