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左岸側3径間の架設を完了 中央径間は5月GW明けに送り出し

国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所 行徳橋の架替え進む

公開日:2019.01.24

 国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所が所管する行徳橋の架け替えが進んでいる。
 現橋(右写真)は昭和31年に行徳可動堰の建設に伴い、その管理を目的として供用された江戸川河口部の千葉県市川市稲荷木~同市河原間に架かる橋梁。千葉県道6号として供用されている。供用後60年が経過し老朽化が進んでいることや、両岸の堤防が現在の計画高に満たない状態になっていること、行徳可動堰の改築に伴い管理用通路を確保する必要があることから、橋梁を架け替えているもの。新橋は橋長404mの鋼7径間連続細幅箱桁橋(合成床版)。全幅は現在の7.45mから12.5mへ大幅に増やしている。うち歩道部も現行の1.5mから4mに拡大するなど歩車共に通行しやすい構造に計画している。既に行徳可動堰の改築は完了しており、新橋下部の施工も完了している。上部工も左岸側3径間の架設が完了している。

平面図
  行徳可動堰は1950年に着工され1957年に供用されたものだが、可動堰の建設前に行徳堰という固定堰が1920年から供用されていた。同堰はいわゆる石張りの床固め工で、基礎は松杭で施工していた。同堰は可動堰の建設に伴って撤去されたが、基礎の松杭は撤去されていなかった。これが下部工を施工する際にネックとなった。基礎工はA1、P1、P6、A2が鋼管杭でそのほかの橋脚は全て鋼管矢板井筒基礎を採用している。基礎の深さは概ね30m前後だが、「杭の先端が松杭にあたり基礎の施工には苦労した」(同事務所江戸川河口出張所)。橋脚は主にRC小判型橋脚を採用しており施工は全て完了している。

下部工の施工(写真はP4橋脚)
 上部工は非出水期(11月~5月末)の施工であるが、桁上作業は出水期間も行う。左岸側は10月中旬から準備工を開始し、3径間をトラッククレーン+ベントで架設した。次いで2月からは1か月かけて左岸側に架けた桁上に送り出し用の軌条設備および中央径間の桁を地組する。3月中旬~4月上旬にかけては右岸側の3径間を架設し、5月ゴールデンウイーク明けに3日間かけてダブルツインジャッキを用いて中央径間(河川渡河部、104m)を送り出す。送り出し長は165m。送り出し後はジャッキを用いて約6m降下させて落とし込み剛結。その後、合成床版(チャンネルビーム型)を配置していく。

左岸側の3径間は架設を完了していた(右岸側から望む)

細幅箱桁を採用している

直近から見た左岸側3径間

 鋼重は約1800t。設計はオリエンタルコンサルタンツ。上部工施工は高田機工。工期は2020年1月14日まで。旧橋は撤去する予定だが未発注。

(5月に「現場を巡る」で大きく取り上げる予定です)

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